第11話 肩こり
「最近肩こりが酷いのよね。」
友達の麻美が左腕を回しながら言った。
「何ババアみたいなこと言ってんのwあんたまだ中1でしょ。」
「うん…。でもなんかね、日に日に重たくなってくるんだよね。肩が。」
回すのをやめて、今度は肩を直接揉み始めた。
「なんか肩がこるようなことしたの?例えばずっと同じ姿勢でパソコン使ってたとか。」
「ううん、パソコンなんてYou Tube見るくらいだからそんなに。」
「じゃあスマホ。ストレートネックになってるんじゃない?」
「そうなのかなぁ。」
「きっとそうだよ。」
「あ〜駄目だ!痛い!ねぇ、ちょっと肩揉んでよ。」
麻美はくるっと私に背を向けた。
「!!」
私は彼女の肩に触れることができなかった。
なぜなら、赤ん坊がしがみついていたから。
「…悪いけど、他の人に頼んで。」
「えー、なんでよ?いいじゃん、ちょっとくらい。」
「無理」
「ケチ。もういい。」
機嫌を損ねて何処かへ行ってしまったが、私は彼女の後を追おうという気は起きなかった。
後日、麻美は担任の藤本先生と一緒に校長室へ呼び出された。原因は、二人の関係にある様子。麻美の両親が学校側に苦情を入れたことがきっかけで発覚したそうだ。
「先生と付き合ってるのバレちゃった。」
麻美はお気楽に考えていたが、当然校内で問題となり藤本先生は学校をクビになってしまった。
その後麻美と先生は別れさせられたらしいが、彼女はあまり深く考えていないのか、「ま、いい経験になったかな!」なんて軽口を叩いていた。
「…ねぇ、あんたさ、もしかして……。」
「ん?何?」
「…何でも無い。」
麻美は相変わらず「肩が重い」と言っていたが、私はそのことについて触れないことにした。
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