第8話 指紋

気がつくと メガネに指紋が付いていた


見えづらいので メガネ拭きで磨いた


また気がつくと 指紋が付いていた


もう一度磨き メガネを触らないよう気をつけた


しばらくくすると またメガネに指紋が付いていた


さわった記憶はない


磨いて またメガネをかけた


こんどは何もせずに ただ前を見つめた


指紋がひとりでに メガネに浮き出てきた


気味が悪くなりながらも 正体が気になった


もう一度磨いて メガネをかけた


鏡を目の前に置いた


鏡を見つめた


自分の瞳から小さな手が伸びて メガネを触った


メガネに指紋が付いた

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