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2021年8月15日 15:18
ごきげんよう、こちらにもお邪魔させて頂きました。カロン、っていう擬音、なんだか素敵ですね。確かにグラスのなかで溶けつつもそれに足掻くように音を立てる氷の音は、涼やかなようでいて、少し哀しげに響きますよね。そんな氷の音が最後に「彼女」の鳴らす下駄の音に変わったときは、背中がひんやりしました。彼女は、異形だったのでしょうか。けれどその異形の浮かべる笑顔に魅せられた主人公は、去ってしまった笑顔を忘れられなかったのかしら?再び、今度こそ笑顔ではなく異形を見てしまった主人公は何を思ったのでしょう。不思議な余韻に浸れる掌編、ありがとうございました。
作者からの返信
いらっしゃいませ!このお話はこの「カロン」という音を思い付いたことで生まれたようなものなので、そこを気に入っていただけるととても嬉しいです。ここから先は、はっきりとした描写をわざと避けているため分かり難いかも知れませんが、彼女は普通の人間です。祭りの夜に彼を訪ねて来た彼は「ひと夏の遊びのつもりだった」と、真剣に恋をしている彼を振ってしまいます。激情に駆られた彼は、彼女をどこへも行かせまいと、その場で彼女に火をつけ、抱きしめたまま自分も死んでしまいます。体中が焼け焦げるような暑さを覚えていたり、ドアが熱で拉げていたいたり、最後に見た彼女の表情が「自分と同じ苦しみを味わって」いたりするのはそのためです。死んでなお、彼はその日を繰り返しているのです。というちょっと生々しい話ですが、異形ではないにせよ、彼女との思い出が忘れられない彼の気持ちは同じだと思います。後悔よりも、彼女への捨てきれない恋心から、今もこの世に留まっているような、そんな気がします。
2021年8月12日 09:35
切ない思い出の話かと読み進めれば……現実の境目が揺らぐような感覚に襲われて、最後にぞくりと。暑い日の生ぬるい風が首筋を撫でるようなお話、ごちそうさまでした!
おおお、すみません。実はホラーでした!お越しいただきありがとうございます。最後でぞくっとしてもらえたなら良かった^^ささ、今日から窓際に座ってアイスコーヒーを飲みながら、一緒に本を読みましょう。誰かが現れるかも知れませんよ。
ごきげんよう、こちらにもお邪魔させて頂きました。
カロン、っていう擬音、なんだか素敵ですね。
確かにグラスのなかで溶けつつもそれに足掻くように音を立てる氷の音は、涼やかなようでいて、少し哀しげに響きますよね。
そんな氷の音が最後に「彼女」の鳴らす下駄の音に変わったときは、背中がひんやりしました。
彼女は、異形だったのでしょうか。けれどその異形の浮かべる笑顔に魅せられた主人公は、去ってしまった笑顔を忘れられなかったのかしら?
再び、今度こそ笑顔ではなく異形を見てしまった主人公は何を思ったのでしょう。
不思議な余韻に浸れる掌編、ありがとうございました。
作者からの返信
いらっしゃいませ!
このお話はこの「カロン」という音を思い付いたことで生まれたようなものなので、そこを気に入っていただけるととても嬉しいです。
ここから先は、はっきりとした描写をわざと避けているため分かり難いかも知れませんが、彼女は普通の人間です。
祭りの夜に彼を訪ねて来た彼は「ひと夏の遊びのつもりだった」と、真剣に恋をしている彼を振ってしまいます。
激情に駆られた彼は、彼女をどこへも行かせまいと、その場で彼女に火をつけ、抱きしめたまま自分も死んでしまいます。
体中が焼け焦げるような暑さを覚えていたり、ドアが熱で拉げていたいたり、最後に見た彼女の表情が「自分と同じ苦しみを味わって」いたりするのはそのためです。
死んでなお、彼はその日を繰り返しているのです。
というちょっと生々しい話ですが、異形ではないにせよ、彼女との思い出が忘れられない彼の気持ちは同じだと思います。
後悔よりも、彼女への捨てきれない恋心から、今もこの世に留まっているような、そんな気がします。