第90話 0%!

 ペガサスは、再び大気圏外に出た。


 残るダルメシアン端末は11体!


 ……問題は『短針ニードル』の残数だ。 既にレッドゾーンに入っている……。


『超・超微細標的射撃』で、端末の中枢をピンポイントで破壊するか、重要な配線を切断出来れば勝機はある……か?


「ゆうきちゃん! 現在の『短針ニードル』の残数でピンポイント攻撃をした場合、成功する確率はどのくらい?」


「現在の『短針』残数と、既存のダルメシアン端末の解析データを照合しました。 勝利確率は……」


 ……ゴクリッ


「駆さん……差し出がましいですが、結果はお知りにならないほうが……身の為かと……」


 ……高性能とは言え、たかが携帯のアプリに気を遣わせる程、勝てない戦いって事……か……。


 言い方を変えよう!


「ゆうきちゃん! 残りの短針で、何体倒せそう?」


「3.5体です」


 ヤバい!


 ホントにホンっとにヤバい!


 半数も倒せない……って事じゃん!


「駆さん! 申し訳御座いません! 計算間違いです!」


 え? あの祐希さんが手ずからプログラムした『ゆうきちゃん』が計算ミスを犯すなんて!


「……で、何体?」


「はい! ダルメシアン端末接近中! 戦闘力、既存の32.5倍です。 破壊可能数……0《ゼロ》」


 …………!


 ………………


 ……詰んだ……。

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