第80話 飛翔!

ひとまる1ひと端末一体の『足底センサー』から、接地反撥が観測出来なくなりました。 飛翔を始めたと判断します!」


 ……ゆうきちゃんからの報告だ。

 

 さすが、祐希さんが心血を注いだ『全CPUスパイウェア』だ。 そんな事まで判っちゃうのか。 ……やっぱり『特務機関ひと〇〇まるまる』! 凄いわ。


 ……って感心している場合ではない! 俺は思わず叫んだ!


「ダ、ダルメシアンって飛べるの!?」


「……はい。 このジャイロ・トラッカーの航跡分析によると……恐らく『ローター』による飛行です」


 ふむ……お、落ち着け、俺……その為に『LMロケータームーバー』を借りたんだった。


 ……それにしても……『ローター』って、ヘリコプターだろ? じゃあ、宇宙迄は来られないんじゃないの?


「……いえ、空気中ではローター飛行し『揚力限界』と同時に、別の航空方法に切り替わるものと思われます」


「じゃあ、今のうちに撃ち墜とそう!」


かけるさん、お待ち下さい! 今『端末』を撃墜すると、瞬時に位置情報が彼等かれら全ての端末に共有され、集中攻撃される危険が想定されます!」


「……どうすれば良い?」


「1〇1端末同士は、常に互いの位置を捕捉し合っていますが、『飛翔端末』が高高度に達すると、一時的に失跡ロストし、他の端末が一斉に広範囲ワイドレンジ捜索スキャンを始めるでしょう。 それを合図に『NG《ニードルガン》』で『細断シュレッド破壊』しましょう。 その際は、破壊効率が良く、敵にも発見されにくい、直上からの『急降下慣性射撃』で『短針ニードル』を射出し、一片遺さず『消滅』させましょう!」


「了解! ナビゲートしてくれ!」


「はい! 駆さん!」


 は速やかに『ひとまる1ひと端末』の予想出現ポイント近傍に移動した!

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