第39話 砂嵐!

 ……浅利さんは、自分が『特務機関1〇〇ひとまるまる』? ……の『工作員』だと言った。


 更に先日、『K.K』さんは俳句? を解析して『大惨事』を未然に防いだ……と言っていた。 


 つまり、俺たちの『仕事』は『正義の為の工作』なのだろう。


 今は余計な事は考えずに、東矩とうがねさん、浅利さん……そして何より『自分自身』を信じよう。 ……そう考える事にした。




 数日後の真夜中……俺の頭に、東矩とうがねさんの緊迫した声が響いた。


「緊急事態! 緊急事態です! 法外ほうがいさん! 聴こえますか!? 今、何方どちらにいらっしゃいます?」


「は、はひ! 今は家で寝てまひた!」……うわあ……起き抜けで呂律が回らない。


「お休み中、申し訳ありません! 時間が無いので、今回はその場所から、遠隔でお答え下さい!」


 ……東矩さんの後ろが騒がしい。余程の緊急事態なんだな……。


「わかりまひた」……ありゃまあ……まだ呂律が……お恥ずかしい……。


「では、始めます! ……今から、ある『音』を骨導音声にて送信します! 感じた事をお答え下さい!」


「はひ!」


 ……ジージー、ガーガー……砂嵐の様な音が、大音響で頭に響いた! 耳を塞いでも、骨導音声なので変わらない!


 ……そんな中、俺は懐かしい、ある『歌』を思い出していた……。



 『かーごめ かーごーめー』


「か……ごめ……かな?」……我ながら……こんなんで良いのか、不安になった。


 ……と、ところが!


「か! かごめ! 『かごめかごめ』ですね! ありがとう御座います!」……東矩さんの興奮したような声が響く! 更に『かごめ! かごめ!』と色々な人の声が聴こえた。


 ……まずは『正解』だったのか……な!?

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