　その日の夕方、俺は『ビンゴの一位が必ずかぶる』能力者、浅利さんに連絡して、待ち合わせた。

　この前の居酒屋に入り、まず乾杯した。

　さて、本題だ

　俺は、自分の『本当の能力』についての疑問を聞いて貰った。

「う〜ん……確かに、それは矛盾しますね…因みに、今、じゃんけんしてみましょうか」

　じゃん、けん、ぽん

　浅利さん……パー

　俺……グー

　……その後、何回やっても、俺の負けだ。　

　……隣で笑っていた知らないおっちゃんも入れて、３人でやると……

　全て『負け』……

　……「あんちゃん、弱（よえ）ぇなぁ」

　……俺は「えへへ」と言って、感謝の言葉を述べた。

「やっぱり『負ける』能力は健在……ですね」……と浅利さんが神妙な顔で言った。

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