第13話 直感!

 ……一人になると、トラックの中は無機質で寂しい。


 あっ……『Y.T』さんのほのかな香りが、だ漂っている……。


 ヤベっ! また鼻血だ!


法外ほうがいさん! 聴こえますか?」


……目の前のスピーカーから『Y.T』さんの声がした。


 ティッシュを鼻に詰めながら


「はい! 良く聴こえます」


 ……と、答えた。



「良かった。 法外ほうがいさんの声は『骨導音声』で直接聴こえていますので、続けて下さい。 ただ、私はこれから声を出せない状況になります。 ……私の声が出ているスピーカーの右にモニターがあります。 解りますか?」


「……解ります」


「これから暫く、そのモニターに選択肢を表示します。 直感で選んで下さい」



「了解です。宜しくお願いします」


『プツッ』……と音がして『Y.T』さんの声が途切れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る