第11話 不安!

 俺は浅利さんに「俺の担当官が、『会社に帰投する』って言ってたんですが、俺たち……何処どこに勤めてる事になってるんすかね?」と尋ねた。


 浅利さんは「さあ? ……私は、まだ『田畑製菓』のサラリーマンれすから。 ……ただ『M.N』……担当官には、早目に辞めるようにって言われましたよ……なんか、保証とかも充実してるんれすって!」……と言って、酔い醒ましにウーロン茶を飲み干した。


 『担当官』って……その表現自体、普通の会社じゃ無い。



「浅利さんは……怖くないですか?」


「何がす?」


 俺は声を潜めて「だって…下手したら…」と言いながら上を指差した。


 浅利さんは笑って「それは大丈夫れすよ! 何せ私たちは『100%』なんれすから!」と言った!


 …そう言われてみれば……そうか……。


「それに、さすがに『殺す』なんてあり得ませんよ。 『担当替え』になるんれすって」


「た、担当替え〜!?」


 『Y.T』さんが泣いて心配してたから、俺はてっきり、殺されるもんだと思ってた。 


 ……そのことを浅利さんに言うと、浅利さんは俺の耳にこっそりと……


「そりは、法外ほうがいさんの『担当官』が、法外さんに惚れてるからっしょ」


 と言った……。


 浅利さんが「あ! 法外ほうがいさん! 鼻血!」


 と、ポケットからティッシュを出してくれた。


 乾杯前に抜いたばかりのティッシュを、またまた慌てて鼻に詰めた。 




 このまま続けてたら『鼻血の出血多量』であの世逝きだよ〜!

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