第10話 薄氷!

乾杯かんぱ〜い


 浅利さんとグラスを合わせて飲み干す!


 こ、この爽快感! こののどごし!


 ……もう、味わえ無いかと思っていた分、五臓六腑に染み渡る……!


 あれ? 


 浅利さんは酒に弱いらしく、既に顔が真っ赤だ。


法外ほうがいさんは、今回『初ミッション』だったんすよね?」


「はい。 浅利さんは?」


「私は二回目です」


 浅利さんの前回のミッションは、『じゃんけん』では無く、リーチの数で勝負が決まったらしく、難儀したそうだ。


 「偶然、私のリーチ数が多かったので勝ったんですが、薄氷を踏む思いだったすよ」


 ……浅利さんは、ジョッキ半分位でもう

呂律が回らなくなっている。


「だから、今回は、法外ほうがいさんとの協同ミッションったので、安心れした〜」


 ……確かに『ビンゴの一位がかぶる』ことは出来ても、そこまでの道のりはバラバラ……運任せだから、厳しかったろう……な。


「やっぱり、失敗したら……?」


 俺が、自分の親指で首を斬るジェスチャーをすると…


「いや、今回はさすがに私の『100%』でもどうする事も出来ないから、大丈夫れしたよ」


 ……良かった。 ただの理不尽な会社では無いらしい。


「れも、もし失敗してたら、担当官の『M.N』さんがヤバかったみたいれすよ」


 ゲッ!

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