第2話 藪蛇

キーン コーン


 カーン コーン………


「……ようし。今のところ覚えとけよ。出るぞー。」


「ちょっ、先生まだ消さないでよ!」


「寝てたお前が悪い。」


「えー。」


「さぁ帰宅部はさっさと帰れよー。」


「帰って昨日の続きしようぜ~!」


「今度はハンデなしな!マジで相手すっからな!」


「一緒に帰ろ~。」


「いいよ~。トイレ寄ってからね~。」



 放課後になると教室内が一気に騒然となる。

 学校から解放されたと喜ぶ男子。

 部活に行きたくないと駄々をこねる男子。

 教室内でお菓子を食べながら恋バナを始める女子たち。


 一方のわたしは無言のまま教室を後にする。高校に入ってもわたしに友達はできなかった。


 別に寂しい訳ではない。

 家に帰ればわたしの可愛いオモチャたちが待っている。

 学校はあくまでも日常生活の一部として無難にこなす過程のひとつに過ぎない。


 学校生活はなるべく問題を起こさないように努めた。

 シングルマザーである母が昼夜問わずに働き詰めて通わせてくれた高校だ。迷惑をかけたくない。

 無事に卒業できるようにわたしは最善を尽くした。



 ※



「お~い望月~。」


「………はい、何ですか先生………?」


「お前最近ちょっと愛想が足りないんじゃないか~?先生は残念だぞ~。」


「………すみませっ……!ふぅん………。」


「先生はな~?お前の為を思って言っているんだぞ~望月~?」


「くぅん………ッ!ん………はい………。」


 教え子の小さな胸を揉みしだき、その小柄な身体を背後から抱き締める。

 教育者としてはあるまじき行為だろう。

 だがしかし止められない。

 今まで沢山のちっぱいを触ってきたが、こんなちっぱいは初めてだった。

 低身長、ちっぱい、幼児体型と三拍子揃ったロリ娘が私の心を鷲掴みにした。


「先生……もうそろそろ………。」


「ん~?まさかもう終わりだなんて言わないよな~望月~?」


「………ッ!あぁん……うぅ………。」


 教え子を圧倒的な力と担任教師という権力で言い伏せる。これがまた堪らなかった。

 普段から大人しく教師にも従順な望月小百合は私にとって最高の教え子だった。

 月に数回放課後に声をかけて人気のないグラウンドの屋外倉庫でこうやって胸を揉んで性欲を満たすのは、普段真面目な担任教師を演じている私にとっての唯一の楽しみだった。


「望月~。今日は喘ぎが足りないぞ~?」


「………すみません………。」


「お前の成績がどうなってもいいのか望月~?」


「……………あん……ふぅん……。」


 職権を利用した強姦は背徳感を高める。今日の私はいつもよりも欲に忠実だった。


「望月~、お前のちっぱいは本当に最高だな~。先生……今日はちょっと冒険したくなってきちゃったな~。」


「え~………。」


 いつもは至高のちっぱいで我慢していたが、そろそろ本番も試してみたくなってきたのだ。

 この幼児体型ならきっと陰部もツルツルの綺麗なスジなのだろう。

 それを私が最初に汚すのだ。

 何と素晴らしいのだろうか。


「な~望月~。先生もうお前のちっぱいじゃ満足できなくなってきたぞ~?」


「……そ……そうなんですか………?」


「あぁ、望月のちっぱいよりももっと敏感な所を責めたいな~。」


「や~………それは流石に………。」


「そんな冷たい事言うなよ望月~。もうちっぱい揉んでやんないぞ~?」


「………先生…ホント…無理ですってば。」


「ん~?担任である私に逆らうのか~?ちっぱい望月のくせに~?」


「…………………………。」


 望月が無言になる。

 そうだ。教え子が先生に逆らえる訳がない。望月にはもっと教育が必要なようだ。


「……………先生……………。」


「お~?言う事を聞く気になったか~?ちっぱい望月~?」


「……………残念です……………。」


「………は~?」


 望月がボソッと呟いた瞬間。

 望月の後頭部が私の方に近付いてきた。

 ………というよりも、望月の身長が高くなっていく。少しずつ。ぐんぐんと。

 後頭部を下り、華奢だった筈の背中を下り、小振りだったとは思えない程大きなお尻を下っていく。


 一体何が起きている?

 望月がどんどんでかくなっていく。

 既に私の身体は望月のローファーよりも小さくなっている。

 私は夢でも見ているんだろうか?


 「見逃してあげようかと思っていたんですが………やっぱり止めました。」


 真上から望月の声がサイレンのような音量で聞こえてくる。


 ズシィィン………!


 ズシィィン………!


「あ………。」


 私の頭上で巨大な望月が振り替える。

 およそ150メートル程の巨人となった望月が、まるでゴミを見るような目で私の事を見下ろしていた。


「今更後悔しても遅いですからね?………先生………。」


「ひいぃぃぃいいッ!!」


 望月の掌が降りてくる。

 腰が抜けてしまった私はあっさりと教え子の手に捕えられてしまった。



 ※



「ひゃあぁぁあッ!お、お助けぇ~~~ッ!」


 掌の中から情けない悲鳴が聞こえる。

 手を開くとそこには1.7センチまで縮んだ元担任教師が縮こまるように身を丸めていた。


 ………何と惨めな姿なのだろうか。

 こんなクズの欲求不満行為に今まで耐え忍んでいたと思うと、馬鹿馬鹿しく感じる。


 せっかく母が苦労して入れてくれた高校なのだから、できれば何事もなく過ごそうと思っていたのに。

 まさかこんな奴に目を付けられるとは………。

 胸を揉まれるのは何とか我慢していたが、性行為を強要してくるとなれば話は別だ。

 こんな奴の体液をわたしの胎内に収めるのはご免だった。

 ある程度で止めておけば良かったものを………何と愚かなゴミ虫だろうか。


「先生……わたしの胸ってそんなにちっぱいですかね………?」


「……は、はいっ!?」


「先生何度も言ってくれたじゃないですか…わたしの胸をちっぱいって………。何度も何度も何度も何度も何度も………。」


 コンプレックスであるちっぱいを連呼された恨みで、思わず握り潰してしまいそうになる。


「あ……いや……その、も、望月はちっぱいなんかじゃない!決してない!」


「………望月………?何でこの状況で呼び捨てなんですか………?死にたいんですか先生?」


「あッ!す、すまんッ!も、望月様ッ!私が悪かったです!だから……こ、殺さないで………。」


 掌の上で土下座するゴミ虫。

 ………何故だろう。

 謝罪されているのに段々と腹が立ってくる。わたしの怒りゲージが沸々と上昇していた。


「先生、わたしのちっぱいが好きだっていつも揉んでいたじゃないですかぁ………。わたし内心傷ついていたんですよ……気にしているのに………。」


「も、申し訳ないッ!もう今後一切ちっぱいとは言わないから………!」


「あはははは~、今また言ったじゃないですか~。」


 ピキッと青筋を立てて掌を胸に押し付ける。


「ぎぃ………ッ!ぐ……ぎゃあぁぁ…ッ!」


 乳首にぐりぐりと押し付けるだけで今にも死にそうな声を上げるゴミ虫。


「あはは、どうですか先生?教え子の大好きなちっぱいに擦り付けられる気分は?」


 冷笑を浮かばせながらゴミ虫を嘲笑う。わたしの胸を散々弄んだ罰だ。

 今はわたしがこいつを自分の胸で弄んでいた。


 暫くすると乳首が勃起を始めた。徐々に大きくそして硬くなっていく乳首はゴミ虫の身体を更に苦しめる。

 ごりごりとこねくり回されるゴミ虫を見てわたしは頬を紅く染め熱い吐息を吐き出した。

 興奮してきたのだ。


「あふぅん……先生……わたし、段々と気持ちよくなってきましたよ……。先生みたいなゴミ虫でも役に立つ事ってあるんですねぇ………。」


「…………ごっ………ばっ………ッ!」


「ふふ……。」


 擦り付けるのを止め、手を顔の前にもってくる。

 衣類が乱れぐったりとしているゴミ虫。

 既にグロッキーなようだ。


「先生ってわたしの事好きなんですよね?じゃあ……わたしの血肉になれたらきっと幸せですよね………?」


 そう言ってゴミ虫の目の前で大きく口を開ける。

 きっとぬらぬらとテカる口内と蠢く巨大な舌が見えているのだろう。

 その証拠に子供のように泣きじゃくる声が聞こえてきた。


「あはは……冗談ですよ先生。先生みたいな汚いゴミ虫を食べる訳ないじゃないですか~。気色悪い………。」


 軽蔑した目でゴミ虫を見つめる。

 よく見ると、涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになっている。

 何処まで不快で不潔な存在なのだろうか。

 もっといじめてやらなければ………。


「先生から見てわたしってかなり大きいですよね……?153メートルですもん、たかが1.7センチの先生とは比較になりませんよね~。……くすっ♪でも先生ぇ………?わたし先生をもっとちっちゃくする事ができるんですよ~♪そしたら先生、蟻んこサイズから更に縮んで1.7ミリのゴマ粒サイズになっちゃうんですよ~?そうなったら先生から見たわたしはもっともっと大きくなって全長1530メートル、つまり1.5キロメートルの超大巨人になっちゃうんです。先生なんてもう小さ過ぎてゴミ虫というよりもゴミ同然ですよね♪」


 満面の笑みで恐怖を煽る。胸がスカッとしてくる。


「い、いやだぁぁッ!止めて下さい!お願いですから止めて下さい!これ以上小さくしないでぇぇぇッ!」


 嗜虐心を刺激される。気付けばショーツが濡れ始めていた。


 空いている片手で靴と靴下を脱ぎ、ゴミ虫を床板の上に置く。


「じゃあいきますよ先生?はい、ちっちゃくなぁ~あれぇ~♪」


「いやだぁぁあッ!!」


 ゴミ虫の悲痛な哀願を無視して目を閉じて念じた後、足元を見る。

 そこにはもうゴミ虫の姿はなく、ちいさなちいさなゴミがポツンと転がっていた。


「あはっ♪あれれぇ~?先生何処行っちゃったんですか~?」


 わざとゴミ担任の目前にゆっくりと足を運ぶ。


 ぺたん


 ぺたん


 ただ足を揃えただけだが、ゴミ担任からすればとてつもない規模の大地震だっただろう。

 だが、最早このサイズでは悲鳴も聞こえない。こいつの存在価値はとうに消え失せていた。


「先生~?まさかまだ死んではいないですよねぇ~?何処にいるんですかぁ~?」


 足の指をくにくにと動かしながら声をかける。

 ゴミ担任からは丘のような大きさの素足がすぐそばまで来たと思ったら、小型ビルサイズの計10本の足指がごぉりごぉりと重い音を立てて暴れ始めたように見えている事だろう。


 しかも丸1日履いた靴と靴下を脱いだばかりの裸足だ。きっと強烈な足の匂いに苦しんでいる事だろう。

 蒸れに蒸れたつま先からは35℃を上回る温度と全身がびしょ濡れになる湿度がムンムンと放たれ、つま先の至近距離にいるゴミ担任に襲いかかる。

 わたしが足の指を動かすだけでゴミ担任は苦しみもがいているのだ。

 何て滑稽なのだろう。


「先生はここかな~?」


 足右を上げてゴミ担任の真上に持っていく。全長240メートル幅80メートルの巨大な足の裏がゴミ担任の視界を埋め尽くす。

 ゴミ担任の泣き叫ぶ様子が頭に浮かぶ。自分の教え子の素足に踏み潰されそうになる元担任の教師………。


「……あん……先生があまりにも惨め過ぎて、小百合…疼いてきちゃった………♪ねぇ先生……?本番はお断りだけど、わたしのオナニーなら見せてあげてもいいよ………♪」


 おもむろにスカートをめくりぐじょぐしょに濡れたショーツを脱ぎ捨てる。湿気ったショーツがぐしょっと音を立てて床板に落ちた。床板に座り両足でゴミ担任を囲う。

 わたしの下半身が巨大な肉の壁となりゴミ担任は逃げ場を失ってしまっていた。


「あはは、先生って小さ過ぎてわたしの下半身からさえも脱出できないんですね♪ホントにゴミみたいになっちゃいましたね先生♪」


 眼下の黒い点に向かって話しかける。

 小さ過ぎて挙動は全く分からないが想像はできる。

 自分の好みの体型をした教え子の股間の前でオナニーを見物できる高揚感、そして自分の1000倍もある教え子の股の間に閉じ込められて壮大な自慰を見せつけられる恐怖。

 ふたつの感情が入り交じって動揺し、その場から動けないでいるに違いない。


 右手の中指を陰唇に挿れる。愛液は既に溢れ出しており、中指を挿入した事でじゅぷじゃぷといやらしい音を立てながら股間の前に流れ出した。

 そしてゆっくりと指を出し入れし始める。


「ん……見てますか先生……?わたしのえっちな姿をこんな至近距離で見られるなんて……ゴミのくせに生意気ですね………。」


 ゴミ担任を見下しながらオナニーを続ける。相手がかつて自分に欲情していた担任教師だと思うと煽りが止まらない。

 小さくなり過ぎて行為に及べないまま、巨大な教え子の自慰を罵られながら見上げているのだ。

 否が応にも高揚感が昂り、指の動きはエスカレートしていく。


「せっ…!先生を見てると……ッ!凄く気分が良いです……!ただの粒ゴミと化した先生がわたしを見てると思うと………………んんっ…ッ!!た、堪りませぇん!」


 そして瞬く間に絶頂を向かえるわたし。

 噴き出る愛液は勢いよく股の間を濡らしていった。



 ※



「ふぅ~………スッキリした………。」


 暫し余韻に浸る。

 こんなに気持ちいいのは久しぶりだ。

 赤の他人のこびとではなかなか得られない優越感だった。日頃の鬱憤を晴らせたのも大きいろう。


 屋外倉庫の床板はわたしが出した愛液でびちゃびちゃに濡れていた。ただでさえカビ臭い倉庫内にツンとした匂いが加わり、室内は異臭に包まれていた。


 ふと股の間を見下ろす。

 愛液の水溜まりの中で黒い点が僅かに動いているのが見えた。

 ゴミ担任はまだ生きていた。

 ………しぶといなぁ………ゴミのくせに。


 すくっと立ち上がり、右足をゴミ担任の真上にかざす。

 心なしかゴミ担任の動きが激しくなったように見えたが、そんな事はどうでもよかった。


「先生、さようなら………気持ち悪いのでとっとと死んで下さいね。」


 ズンッ!!


 思い切り足を振り下ろす。

 ぐりぐりと念入りに踏みにじる。

 無慈悲に、冷酷にひたすら繰り返す。


「……………。」


 足を持ち上げるとそこはわたしの出した愛液が床板に染み付いており、ゴミ担任のいた痕跡は何ひとつ残っていなかった。

 足裏も愛液で濡れているだけでゴミ担任らしき形跡は何もなかった。

 ゴミ担任の存在が完全に抹消された瞬間だった。


「………ふぅ。さ、帰ろ♪」


 下着や靴下を身につけ、ローファーを履く。まだ足がベトベトしているが気にしない。

 倉庫を出て今度こそ帰路につく。

 きっと明日は担任教師が行方不明になったとクラスで大騒ぎになるだろう。

 でもそんな事わたしには関係ない。

 また明日から普段通りの学校生活を過ごすだけの話だ。


 今日はオモチャ遊びはやめて、ゆっくりとお風呂に浸かって早めに寝よう。


 晴々とした気持ちでそう思う小百合だった。

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