短編集として10の物語がコレクションされています。音楽と合わせて読むと更に楽しめる、一枚のCDアルバムのような作品集。どれから読んでもいいし、お気に入りは何度でもリピートしたい。
全て基軸は「恋・愛」ですが、青春を感じる甘酸っぱい物から大人の恋愛、同性愛や三角関係、果ては猫(?)視点まで。
何処かにありそうな等身大の物語にはとても入り込みやすく、物語に応じた文章量でスッキリと読み切れ、読書時間をあまりガッツリとれない層にもお薦めな感じです。短編とは思えない濃厚な映画のような一遍や、軽くサクサクつまめるスナック感覚の物語など、バリエーションにも富んでいます。
読後感も、スッキリするもの、哀しいもの、幸せな気分になるもの、その後どうなるのかという期待で終わるものなど、お話によって全て異なります。
数多の恋物語、誰かの人生を垣間見たような読書体験をぜひあなたも。
10篇のラブストーリーからなるオムニバス。トラックナンバーには物語ごとのイメージソングがつけられていて、短篇集という一枚のアルバムを聴くような感覚で読めます。
一話一話が粒ぞろいで、登場人物もストーリーもバリエーションに富んだラインナップ。まさに十篇十色の個性があって、読む者を飽きさせません。
また、それぞれの物語の中にどこかしら予想を裏切ってくれるひねりがあり、そこで描かれる心の機微や激しさ、切なさ、そして優しさが、読後に強い余韻を残します。
さらにオムニバスというかたちだからできる遊び心も秘められています。それは読んでみてのお楽しみ。
短い物語だからこその凝縮された面白さを味わえる作品。短篇が好きな方だけでなく、短篇を書いてみたい方にもぜひお勧めしたいです。