第12話 暗示

 暗示


 暗示とは、被験者に対する指示のことです。


 魔法の言葉があるのか?なんて思いますが、暗示はただの言葉・指示です。

 ぶっちゃけトランス状態で耳に入った言葉は全て暗示です。

 ただし、有効なのは誘導した催眠術師の言葉だけ。

 (まれに誘導した人以外の言葉が効いてしまう方もいます)


 重要なことは、であることです。


 被験者が理解・イメージできるものなら何でもOKです。

 手が固まったり、立てなくなったり、笑ったり泣いたり、敏感になったり、モジモジしたり、語尾にニャンをつけたり、来日した外国人になって流暢な外国語を話したり、前世を見たり、未来を見たり、宇宙から地球を見下ろしたり、飲み物の味が変わったり、初対面の人を好きになったり嫌いになったり、食わず嫌いな食べ物が食べられるようになったり、目の前の人がおかんになったりおとんになったり、にゃんにゃんになったり、好きなタレントのものまねをしたり

 なんでもいいのです。


 イメージは無限大です。

 被験者がイメージできることであればどんな暗示でもいいのです。


 被験者がトランス状態での誘導中、何気なしに呟いた言葉が暗示になってしまう事もあります。

 声を出すときは注意が必要です。


 簡単な暗示文だと

 「手が固まる」

 「瞼が開かなくなる」

 などのような指示を含んだ短文です。


 長文だと

 「あなたは真っ白な雲の中にフワフワと浮かんでいます。フワフワフワフワとても気持ちがいい」

 「私がこのように手を叩くとあなたは気持ちよく目を覚まします」

 「この音楽がなったら、あなたは踊りたくて仕方なくなります。楽しくてワクワクが溢れ出てきます」

 「10数えると気持ちよく目をさますことができます。するとあなたは会話の語尾にゴワスをつけてしまいます」

 などのようにイメージや起きた後の条件も含めた指示になるでしょう。


 被験者がイメージしやすいように言葉を選ぶのがコツです。


 ただし、暗示に使う言葉は狙った動作に直結するワードを入れなくてもイメージ次第では有効になります。

 例えば、カタレプでよく使う暗示「手が固まる」は、実際には手の筋肉が動かずに固まったようになります。

 「筋肉」というワードを使わなくてもイメージ変換されて手が動かなくなります。



 暗示にはいくつか種類があります。

 後催眠暗示(起きてから有効になる暗示のこと)などです。

 他にも種類がありますが、暗示に特別なものは一つもなく、何種類も区別してもあまり意味がありません。


 トランス状態で聞いた被験者が理解・イメージできる言葉が暗示だからです。

 暗示が有効になるかは被験者の想像力次第です。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る