第7話 カタレプシーの誘発4 弛緩法

 弛緩法


 弛緩法は、リラックスor疲労をさせてαアルファ波へ誘導する方法です。


 リラックスor疲労をすると、眠気を催してきます。

 この眠気=αアルファ波の発生です。

 驚愕法では弱い刺激で十分ですが、弛緩法も同じで弱いリラックスor疲労でOKです。


 私は驚かすのも驚かされるのも苦手で使うのは専ら弛緩法です。


 弛緩法はそのまま深化へと続くので、見据えた姿勢を取ってもらう必要があります。

 姿勢については次話で解説します。


 ●リラックスする方法

  ・目を閉じてもらい、力を抜くように誘導します。

   しばらくするとαアルファ波が出ます。

   誘導で使う言葉にはコツがあります。

   色など五感のイメージ、脱力する身体の部位などです。


  ・同じリズムの音を聞き続けます

   呼吸(可能であれば心音)のリズムと合ったリズムです。

   このリズムは安心感を与え、リラックスします。


  ・揺れを与えます。

   電車やゆりかご、赤ん坊をあやすようなゆっくりとした揺れです。

   音と同様に安心感を与え、リラックスをします。


 ●疲労する方法

 ・難しい話を聞かせます。

  理解できそうで理解できない内容だといいです。

  理解しようと集中し、理解できないために考えます。

  すると短い時間で脳が疲れ、休む準備をしようとαアルファ波が出始めます。

  ずばり、催眠術の説明をコンコンとすることがそのまま弛緩法に繋がります。


 ・同じ所を凝視する

  凝視っていうのは意外に疲れます。

  眼の筋肉が緊張し、脳も疲れます。

  疲れてくると瞬きが増えるのでわかりやすいです。

 

 また、リラックスと疲労は脳の反応が似ているような印象を受けます。

 αアルファ波の先が睡眠だからかもしれません。



 私は弛緩法一択で催眠誘導をしていますが、ラポールの構築の段階で催眠術の説明をしっかりすると

 ・・・

「へぇ~」

 とか

「そうなんだ~」

 とか相槌と反応が返ってきますが、まずほとんど理解されていません。


 学校の授業中に眠くなりませんでしたか?

 理解できない言葉が子守唄のように響いて来たことはありませんでしたか?


 理解できない説明を長々と聞き続けるのは疲れます。

 そう脳が疲れます。

 リラックスと疲労は脳の反応が似ているのです。

 だからちゃんと説明するだけでαアルファ波が出る状態に近づくのです。


 催眠術の丁寧な説明は、倫理的にも誠意を込め後々同意も取れたと胸を張って言えます。

 その上にラポールの構築とカタレプシーの誘発も兼ね、いいことずくしなんです。

 ただ説明に時間がかかるのが難点です。

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