水の天使:備忘録

食連星

第1話

「見つけた。やっっっっと…」



「ねぇ聞いてる?」


うっすら目を開けても、やっぱりいるんだよね…

幽霊が…


「スイ?君ねぇ、ちょっと自由にし過ぎだよ。本当に人間界に溶け込んで。

先の大戦前から、ずっとツチは人間界でいう所の冥途守ってくれてるし、

エンもフウも早々神階に戻ってきてるよ。」


やばい…

ごちゃごちゃ言われてるけど、何のことだかさっぱり…


「もう抜くね。」


胸のあたりから何だか引っ張り出された!?


ひっひえぇぇえぇ!!!


ごちゃごちゃやばい奴と同じ状態じゃん…


「ちょっと困ります!戻してください!!!」


「このまま神階に行こう。」


へ!?

物凄い速さでベランダから空に向かって突き進み、雲を抜けて宇宙空間と思いきや、一面真っ白い空間に着いた。


私…

死んだのかな。


『いや、死んでないけど。

このまま、中身出たまま、1~2時間過ごすと戻られないから、

うん…死ぬだろうね。肉体が。』


心で思ったはずなのに、伝わって、頭に返事が届く…


私、戻ります!

夫も子どもたちもいるんです。

私がいないと、困るんです。


『大丈夫だよ。彼らもスイを守護する天使だから。上手く人間界で生きて、こちらに来るよ。スイが人間界に姿を消した時から、何度も転生してスイを追いかけてきてたから。本当にスイが人間界で順応してたから、本当によく分からなくて、何千年単位で探したよ。やっと守護天使3体を追ってスイまで辿り着いたのだから。

その点、エンやフウは、すぐに見つけた。転生、2~3回だから、何百年単位だけどね。』


とにかく…

私を戻してください;;

きっと、家族が心配してると思う…


『…だから、みんな君を守る守護天使だから、君が心配しなくても大丈夫なんだって!

見た目じゃないよ。』


でも、下の子は赤ちゃんだし、上の子だって幼稚園入る前で…

夫だって、あぁ見えて寂しがり屋で…


『本当に、うるさいなぁ…

でも、生を全うしたい訳?

何千年も待ったし探したし…

この人生終わったら戻るって約束できる?』


約束します!!!

どうか戻らせてください!!!


『その言葉、覚えてて。次は必ず神階に戻ってきてもらうよ。』


目が覚めたら、いつものお布団で、和室に皆で寝ていた。

壮大な夢だったのかな…

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水の天使:備忘録 食連星 @kakumi

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