第47話 マルチナ皇女
【57日目 ジェダイト公都南方95キロ マリアーニ城塞領館 午後4時20分頃】
「こいつか!!闇弾4 発射 発射 発射 発射!
回復4!睡眠1!
魔法全解除!」
金髪短髪男の両腕の肘2箇所、両脚の膝2箇所の合計4箇所にグレタの撃った闇弾4が命中した!
直径16cmの球状範囲にある物質が亜空間に弾き飛ばされて消滅。と同時に回復4の効果により出血が停止しながらも金髪短髪男は達磨落としのようにその胴体を床に落下させた。
『アリス様!マルチナお嬢様確保!3階展望室です!』
反応速度5を解除したことによって周囲が一気に明るくなり音が復活する。グレタは探知を使い近くに敵がいないか確認しつつ横たわる女性の側に跪いて猿轡を解いていく。
「マルチナお嬢様! マルチナお嬢様! 聞こえますか? グレタが助けに来ましたよ。アリス様もすぐに来ますからね。もう安心ですよ。グレタが悪者を成敗しましたからね。よし、猿轡が取れた!」
「ああーグレタさんなの?ー助けに来てくれたのね、ありがとうーきっと来てくれると思ってたのよーあたしの神さまーお姉様が近くまで来てくれたのはなんとなく分かったからねーふふ。あたしは大丈夫だよ?」
「そうです。グレタですよ。アリス様も一緒ですよ。お嬢様を酷い目に遭わせようとした
マリアーニ伯爵とか言う屑は両手両脚を弾き飛ばしてやりましたよ。グレタが来たからにはもう大丈夫。全部任せてください。
よし腕のロープが取れた! 次は脚のロープを。治療は少し待って下さいね、アリス様の治癒ならどんな傷も跡形もなく治りますからね」
「ふふっ。知ってるよ。お姉様の中の私からなんとなく伝わったよ。ボブを直してくれたみたいにね。そうでしょう?」
「その通りですございますよ! ああ、やっぱり繋がっていたんですね! お嬢様とアリス様が! こんな素晴らしいことがあるんですね。感謝します!」
「グレタ少佐〜 マルチナさん怪我は無いかな?」
「アリス様! こっちでございます! 早く!」
♢♢
私はグレタ少佐の後を追って領主館の二階を通り過ぎて狭い階段を急いで駆け登る。いた!
私はマルチナさんのところにいくと跪いてマルチナさんの様子を確かめる。すると突然ガバッと両肩をマルチナさんに掴まれたかと思うと力一杯抱きしめられた。
「アリスお姉様! 会いたかった! もう離れない!」
んん? お姉様? もう離れない?
とりあえず、ステータス!
名前 マルチナ・アレキサンドライト
種族 人(女性)
年齢 15 体力 G 魔力F
魔法 水生成1光生成1ステータス1
身体強化 防御2
称号 アレキサンドライト帝国第1皇女
「間違いなくマルチナさんだ。初めましてマルチナさん。異世界アースから来た亜神(時空)アリスです。まずは怪我を治しておきましょう。ーー治癒!
よし、これで全部治ったと思うよ」
「うん。ありがと。お姉様」
おお、声が超ステキ! アニメ声じゃなくて、聞いていて心地の良い響き。心に優しさと安心感が溢れてくる。いつまでも聞いていたい! 私もこんな声してるのかな? マルチナさんと2人でカラオケ行って一日中デュエットしたい。
横のグレタさんを見るとこの上なく美しく感動的な光景を見ているごとく目を細めてこちらを見ていたが横に見苦しいマリアーニ伯爵の胴体と手足が散乱していて邪魔だと思ったのか展望室の端に放り投げて片付け出しはじめた。
「ありがとうグレタさん。それ片づけてくれて。えっとマルチナさん? そろそろ起きようか?」
「んんっ、もうちょっとこのまま。ダメですか?」
「全然ダメじゃ無いよー。むしろウエルカムだし。私もマルチナさんと抱き合って超幸せだし。床に寝ていると体が痛いんじゃ無いかと思ったんだ。大丈夫?」
「うん大丈夫。じゃ起きよっか。アリスお姉様の顔見たいし」
マルチナさんがガッチリホールドしていた腕を緩めてくれたので、筋力1を使いながらマルチナさんの上体を優しく抱えながら起き上がる。グレタさんが支えてくれるので安定するね。ゆっくりと2人で立ち上がって向かい合う。
マルチナさんは、鏡で見る私自身と鏡像を見るように瓜二つだった。
確かに髪色と目の色は違っている。マルチナさんの髪色はブロンドで目はブルーだ。私の髪がアッシュブロンドで目がブルーグレーだから私の色からグレーっぽい雑味を取り除くとマルチナさんって感じかな。
もしかしたらあの時空神の神様は私たち2人の見分けがつくように色を変えてくれたのかもしれない。
向かい合ってジッと見つめ合う。ニッコリと微笑むとニッコリと返される。うわー。背中が震えるー。最高の笑顔です♪
両手でマルチナさんの頭と両頬を優しく撫でてみる。地球にいる有朱浩二なら事案だけど亜神アリス・コーディならなんの問題もないのです。ずーっと撫でていたい。今の私ってこんなにカワイイの? 堪らないんですけど。ふーう。キリがないね。
「マルチナさん。これから使節団の皆さんと合流してアレキサンドライト帝都に向かいますけど、一緒にいきましょう。
今回のように襲撃されるのが心配だから私とグレタさんキアラさん3人と一緒に離れないようにしていきましょう。ずっと一緒にね!」
「はい! お姉様、お願いします!」
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