第43話 女神イース


【50日目 午後2時頃 シリトン市街地】



名前 イース

種族 人(女性) 

年齢 6011(身体年齢12)体力G魔力D

魔法 水弾7光弾7土弾7風弾7火弾6

   闇弾5回復5ステータス5

   浄化5結界5念話5

   探知5魔法防御6

   睡眠5魔獣調教1

身体強化 筋力7持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   防御7老化緩和6

神技 時空間操作Pエネルギー操作M

   ベクトル操作Q物質創造R

   生命体干渉K精神構造干渉K

   神域干渉K

称号 亜神  魔獣の調教師




 うわっ! 強い!!

 レベル7攻撃魔法持ってる!!



『キアラさん!こっちに来て!この女神強い!警戒!反応速度5!89式障壁展開!

マイホーム開口部及び障壁展開!』



 キアラさんも反応速度5を発動。驚きながらも女神イースのステータスを見て納得して89式障壁を展開しつつ生成されつつ有る黒い障壁を避けながらマイホーム開口部の方まで来てくれた。


 サーラさんとラウラさんは慣れていないのでまだ反応速度を発動できていない。


 キアラさんに先にマイホームの中に入ってもらって一人づつ開口部から入れていく。


 最後に私が開口部に飛び込んで開口部を直径50cmまで縮小。隠蔽用障壁をセット。

ここまでしてから全魔術をカットした。





 ふう。驚いた。隠蔽用障壁を通して女神イースを観察する。

 とりあえず私が神域から転写できないレベルの魔術をもらっておく。ちなみに神技は転写できない。



名前 マルチナ 

種族 人(女性) 

年齢 15  体力G  魔力F

魔法 水弾7光弾7土弾7風弾7火弾6

   ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5

   探知5魔法防御6念話5飛行5

   睡眠5魔獣調教1

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   反応速度5防御7老化緩和6

称号 亜神(時空)の一部となっているマルチナの分身(劣化)

   魔獣の調教師



名前 キアラ・アルタムラ

種族 人(女性) 

年齢 14  体力G  魔力F

魔法 水弾7光弾7土弾7風弾7火弾6

   闇弾5回復5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御6念話5飛行5

   睡眠5神託5動物調教5

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   反応速度5防御7老化緩和6

称号 マルチナの侍女

   亜神(時空)アリスの第2使徒

   動物の王

   亜神アリス軍団少尉



名前 サーラ・ビアンコ 

種族 人(女性) 

年齢 21(身体年齢26)体力G魔力F

魔法 水弾7光弾7土弾7風弾7火弾6

   闇弾5回復5睡眠5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御6念話5飛行5

   神託5

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   反応速度5防御7老化緩和6

称号 ビアンコ男爵家長女

   ジェダイト公国軍中尉

   亜神(時空)アリスの第3使徒

   亜神アリス軍団中尉

   亜神アリス軍団士官候補生指導官



名前 ラウラ・ビアンコ 


種族 人(女性) 

年齢 16  体力G  魔力F

魔法 神楽5回復5睡眠5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御6念話5飛行5

   神託5

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性7麻痺耐性7毒耐性5

   反応速度5防御7老化緩和6

称号 ビアンコ男爵家3女

   亜神(時空)アリスの巫女

   亜神アリス軍団士官候補生



 これでたぶん負けない。そして勝てるポジションを取れた。いつでも時空間操作を打ち込める。


 我々が持っている反応速度と遠視のコンボによる攻撃魔法の精密速射能力を女神イースは持っていない。


 ステータスが通る距離だから、いざとなったらイースが持っている魔術を全部引っ剥がす事も可能である。


 魔力量では勝てないが、こっちは4人。合計した魔力量では勝負になるはず。


 他方、女神イースからはこちらが見えないし攻撃手段も無い。



よし。落ち着いて話し合える。






♢♢♢♢






 私はイース。この世界で生まれた普通の人類よ。だけど生まれた時から特別な魔術を高レベルで持っていたの。


 老化緩和6。


 生命体の生存可能期間。つまり寿命を64倍に引き延ばす身体強化魔術なの。アタシはこの魔術を12歳の時に起動した。


 この魔術は魔術起動時点の身体年齢を引き伸ばされた寿命の期間分固定することができる。


 ちょっと分かりにくいかもだけどアタシの場合は元々の寿命が100年だったとしたら老化緩和6の効果で寿命が64倍。つまり6400年間となるから6300年間を魔術起動時の年齢で固定できる。


 という訳でアタシは12歳の時から身体年齢を固定して、今まで5991年の間、身体年齢12歳で生きてきた。


 アタシの本来の寿命が何歳までなのかは分からない。分からないけどアタシは普通の人類。100年を大きく超えることはないはず。


 だからアタシの寿命は尽きかけていて身体年齢固定の効果がいつ終了しても不思議ではない。


 その兆候は既に出てきている。アタシの力が衰えてきている。




 身体年齢を固定してから1000年経った時。私の中にわずかに神の力が宿った。そのお陰で神域から一部の魔術を転写する事ができる様になった。攻撃魔法レベル5。魔獣調教1。この力を使って仲間たちを強化した。


 この世界から魔獣や悪魔を駆逐して人類生活領域を拡張して。皆からは女神イースと呼ばれる様になった。




 しかし。中央大陸にいるアイツらには勝てなかった。




 仲間の大半を殺されて、アタシ自身半死半生の状態でこの東大陸に逃げ帰った。アタシはその後、アレキサンドライトの迷宮の最奥に立てこもった。


 半殺しにされた影響か。アタシの神力は著しく弱まって、魔術の転写もまともにできなくなり神託を繋ぐ力も弱まってしまった。




 一度消滅させた魔境は復活しないけど非常にゆっくりとだが新しい魔境は誕生していく。あと十万年もすればこの世界は元の魔獣と悪魔が蔓延る世界に逆戻りするだろう。


 アタシの寿命が尽きた後はそうなるんだろうと考えていた時。アンバー高原で強い神力を感じた。何かが誕生したのに違いない。巫女に神託を与えて注意喚起する。




 うまい具合に確認に行ってくれるようだ。アタシの巫女アリアンナとノエミだ。



 アリアンナ達と未知の神が出会えるよう神域に干渉して示唆する。あまりそこから離れないでお願い!





♢♢




 私の巫女アリアンナとノエミが!


 いよいよ巫女アリアンナとノエミが未知の神と接触しつつある!




 あれれ?


 あわっ!体が引っ張られるーーーー何なのーーあわわわーー






♢♢♢♢





 さてと。女神さまとお話をしてみよう。


『もしもし。そこのパッチリと丸みを帯びてピュアな可愛いらしい眼をしたポニーテールのお方。

身長がそこの聖女より10センチメルト程低い白い法衣とサンダルを履いたそこのお方。あなたは誰なのですか?』



 女神イースは、ビックリしたように目を見開き、きょろきょろと周囲を見回している。



『あなた様はアンバー高原に降臨された神でいらっしゃいますか?良ければお姿をお見せください。私はイース。この世界では女神と呼ばれている者です。』





 む。姿を見せてください、か。当然のお願いだな。私でも同じことを言うだろう。


 しかしこの絶対的有利なポジションを放棄するわけにはいかない。ロードナイトの一件は私の心に濃い影を落としているのだ。どんな神なのかも分からないうちに姿を見せるわけにはいかない。こういう時のためにコイツを作ったのだ。来るのだー





『強化カラス2号。こっち来てあそこに着地せよ!』



 隠密を使っていてその姿を認識できない強化カラス2号が聖女アリアンナの乗っていた騎馬の鞍に着地して姿を現す。



『女神イースよ。我の名は亜神アリス。先日アンバー高原に降臨した異世界アースの神である。

このカラスは我が使い魔である。このカラスを我と思って会話をせよ』


『聖女マリアンナ、聖女ノエミ。その方たちはイースの巫女として亜神アリスと女神イースの会話をサポートせよ。

その方たちの友人であるマルチナ皇女の侍女キアラ・アルタムラは亜神アリスの使徒である。聖女のノエミは先ほど我が使徒キアラと話をして事情は分かっているであろう』



 思い付きで強化カラスを身代わりデコイに使ったけど、見た目悪いな。邪悪な感じがしないでもない。でも身の安全には変えられないのだ。



『異世界アースの亜神アリス様。初めまして。このイースで女神と呼ばれているイースでございます。よろしくお願い申し上げます。


『この度はアタシの巫女マリアンナのノエミに恩恵を授けていただき、まことにありがとうございます。感謝いたします。


『そして、アタシ、女神イースはアリス様と敵対するつもりは一切ありません。できれば仲良くしていただいて、親しくお話を出来る関係にならせていただきたいと思っております。お願いします』



 そうなのか。そうじゃないかと思ったけど邪悪な神じゃないんだね。5000年前に人類を助けて強化した人なんだから善良な神だと思っていたけど思ったとおりのようだ。これなら対面してお話をしても良いかもしれない。



『私、亜神アリスも同じ気持ちです。女神イース様とは友好的な関係を持ちたいと思っています。


『しかしここは人の目が多い路上ですので一旦この場では解散して夜にお会いしましょう。夜の8時ころに宿屋「高目」においでください。宿の者と警備の南部方面軍の者たちには話を通しておきます』


『分かりました。ではその時に。それと、申し上げにくいのですが……アタシ、昔と違って凄く弱いんです。

だからアレキサンドライトの迷宮の底に籠もってたんですけど、突然に着の身着のまま巫女マリアンナに呼び出されちゃって不安でしょうがないんです。アリス様のお力で何かお助けいただけないでしょうか?お願いします』



 なるほど。傍から見れば十分強いと思うけど私と一緒で身体は脆弱だからね。気持ちわかるよ。気分としては、いきなり素っ裸で道端に放り出されたようなもんなんだろう。



『その気持ち凄く良く分かります。ではこれを。強化カラス1号。これをイース様の所に運びなさい』



 開口部から亜空間ルーム開口部操作神器を落とす。地球で言えば携帯スマートフォンくらいの大きさの板状神器である。強化カラス3号は途方もない速度で神器を空中キャッチ。女神イースの元へと運び手の上に落とす。



『それは私が作った亜空間ルーム開口部操作神器です。魔力を使って操作すると内径6メルトの球状亜空間への出入口が開閉します。中に入れば概ね安全でしょう。それから』



 私たちが着用している戦闘用軍装とハットをポトリと落として強化カラス1号に運ばせる。



『それは私たちも着用している戦闘用軍装とハットです。だいたいの物理的魔法的攻撃は防いでくれます。その間に亜空間ホームに逃げ込めばよいでしょう。貸してあげます。


『それから私の使い魔である強化カラス2号をあなたの護衛として預けましょう。


『攻撃魔法はあんまり使えないけど、優れた警戒監視能力。念話と神託による遠距離即時通信能力。恐ろしく素早い超加速能力。誰にも気取られない隠密能力。圧倒的に強化された身体能力でだいたいの敵は蹴散らすことが出来るでしょう。

更に鳥とは思えぬ高い思考能力と会話能力。いろいろと役に立ちます。ちょっと気持ち悪いけど』



『ありがとうございます!アリス様!

このような素晴らしいものと貴重な使い魔。お借りいたします。この御恩どうやったらお返しできるやら』



『ははは。大丈夫ですよイース様。お気になさらず。このイース世界において古くから人類の守護者としてご苦労された功労者であり先輩ですからねイース様は。

私は亜神アリスといってもまだまだひよっこ。いろいろとご教授していただければと思っていますので!

では我々はレストランを予約しているのでここで。夜にお待ちしています。


『強化カラス1号! イース様の言うことをマスター、私の次に聞いて、イース様の護衛の任しっかりと果たすようにせよ! では』



 聖女二人と神官戦士の一行は女神イースを丁重に案内して逗留予定の宿屋に向かって行った。




 私たちは女神イースと別れたあと予約していたレストランに行った。メニューは簡単なイタリア料理風のコースの一択で選択肢は無かったけど美味しかった。



 食事の間に聖女二人の話とか聖女ノエミにどこまで話したかを聞いたりした。

神託を使ってグレタさんに聖女や女神イースに会ったと伝えたらビックリしていた。女神イースに神器や使い魔を貸すなど慈悲を施すとはさすがはアリス様ですとしきりに感心して褒められた。へへへ。




 夕食後にまた徒歩で宿屋「高目」に戻って女神イースの到着を待った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る