第33話 第3使徒(1)


【39日目 1時頃 シリトン郊外演習場】


名前 サーラ・ビアンコ 

種族 人(女性) 

年齢 21  体力G魔力F

魔法 光弾4土弾1

身体強化 筋力1防御1

称号 ビアンコ男爵家長女

   ジェダイト公国軍中尉




 では起こそう。生命体干渉「治癒」!


 睡眠5の効果は32時間の睡眠で通常の方法では起きることはない。起きていた時の状態に強制的に戻す治癒でのみ起こすことが出来る。



 ビアンコさんの目が開く。




「あら、ここは何処なのかしー

皇女姉君殿下、失礼しました。意識を失っていた様です。

それに何者かによる襲撃で、司令官が!撃たれたのです!ああ大丈夫でしょうか?」


「司令官は大丈夫ですよ。確かに背中からお腹にかけて攻撃魔法で撃ち抜かれて致命傷でしたが私が治療しました。完全に回復していますよ。安心して下さい。

ただし今はこの場所について秘密にする為に寝て頂いてます。これも害は有りませんので安心して下さい」


「この場所に?はい。では私も他言無用にしますので。

それでーーこれからどうなるのでしょうか」


「まず襲撃してきた賊は撤退していきました。賊を含めて死亡者は居らず怪我人もこの二人だけでしたが私が治療したので怪我人も居ないはずです。

森から出てきたトロールは2匹ともキアラが倒しました。森の中にはまだトロールがいたようですが散り散りにどこかに去って行きました。

一応監視はしていますがまあ大丈夫でしょう。こちらに来れば倒しますからね」


「はい分かりました」




「それで、ここから出て宿屋に戻ろうかと思ったんですけれども。とある理由でビアンコさんとお話しをしたいと思ったんです」


「はい。どんな話でしょう」


「ビアンコさんに私のお手伝いをして頂きたいと思ったんです」


「え。お手伝いはしますよ?何なりと言って下さい」


「有り難うございます。でもちょっと厄介なお願いだから返事は後でいいですよ。最初にこれを受け取って下さい」




 神域干渉及び精神構造干渉 ステータス神域から複写!そしてビアンコに転写!



「今ビアンコさんに「ステータス」と言う魔法を転写しました。使える筈なので試してください」


「え、魔法の転写?ステータスって言えば良いんですか?」



名前 サーラ・ビアンコ 

種族 人(女性) 

年齢 21  体力G  魔力F

魔法 光弾4土弾1ステータス5

身体強化 筋力1防御1

称号 ビアンコ男爵家長女

   ジェダイト公国軍中尉



「ああ、見える!私のステータスが!

こうなってたのか。男爵家長女って書いてある。ふふ。

レベル5魔法!皇女姉君殿下。これは殿下のお力で? 見たことも聞いた事もありません。はっ。殿下はもしかして?」


「ステータス見ても良いですよ」



名前 マルチナ 

種族 人(女性) 

年齢 15  体力G  魔力F

魔法 水弾5光弾5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5

   探知5魔法防御5念話5飛行5

   睡眠5

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性5麻痺耐性5毒耐性5

   反応速度5防御5

称号 亜神(時空)の一部となっているマルチナの分身(劣化)




「これは物凄い魔術の種類と全てレベル5魔法ばかりーー

亜神(時空)の一部となっているマルチナの分身(劣化)!!

これはどの様な事なのでしょうか?お聞きしても宜しいのでしょうか?」


「良いですよ。どう言う事かと言うと私は異世界の神アリスなのです。


「異世界の神アリスがこのイースに顕現して降臨する時、マルチナ皇女と同一の身体を作り出して依り代にしたのです。

ビアンコさんが見たステータスはこの依り代のステータスですね。

神である私にも神のステータスがありますが人間には見ることは出来ません」




「ちょっと待って下さい。マルチナ皇女姉君というのは?」


「それは理由は分からないですけどジェダイト政府が私の事を皇女姉君殿下として捜索したからですね。

私がマルチナ皇女に瓜二つですからその様な設定を作り出したのでしょう」


「ああ、あのチラシは見ました。

そうするとグレタさんとキアラさんはどの様関係ですか?」




「私達のステータスも見て良いですよ」



名前 グレタ・アルタムラ

種族 人(女性) 

年齢 35  体力G  魔力F

魔法 水弾5光弾5土弾5風弾5火弾5

   闇弾5回復5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御5念話5飛行5

   睡眠5

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性5麻痺耐性5毒耐性5

   反応速度5防御5

称号 マルチナの侍女頭

   亜神(時空)アリスの第1使徒

   亜神アリス軍団少佐


名前 キアラ・アルタムラ

種族 人(女性) 

年齢 14  体力G  魔力F

魔法 水弾5光弾5土弾5風弾5火弾5

   闇弾5回復5ステータス5

   暗視5遠視5隠密5浄化5結界5

   探知5魔法防御5念話5飛行5

   睡眠5動物調教5

身体強化 筋力5持久力5衝撃耐性5

   睡眠耐性5麻痺耐性5毒耐性5

   反応速度5防御5

称号 マルチナの侍女

   亜神(時空)アリスの第2使徒

   動物の王

   亜神アリス軍団少尉






 ビアンコさんは口を開けて固まっている。

5分ほど私含めた3人のステータスを忙しなく見ていたが。




「アリス様は異界の時空神である。皇女殿下と同一の身体を依り代としてイースに降臨された。

グレタさんキアラさんは亜神アリス様の使徒であって信じられない数の恩恵を得て亜神アリス様と共にある」


「その通りです」「合ってるよ!」




「それでアリス様が私に頼みたい事とは?」


「えーっと。ビアンコさん優秀で信用できてニッコリ笑顔が素敵で美人さんだから使徒になってくれないかな〜って。どうかな?」


「今使徒になったら第3使徒の称号が付いてくるよ。こんなチャンス滅多に無いよ!」


「その通りです。しかも亜神アリス軍団の中尉の枠が空いております。3人で一緒にアリス様をお守りしましょう!」




 サーラ・ビアンコは動揺した。


 神の使徒に勧誘された!嬉しいし光栄だけど良いんだろうか。母国ジェダイトと敵対する事は無いのだろうか。困ったな。誰かに相談したいけどどうなんだろうか。




「それでね、今回ビアンコさんを勧誘するのはやって欲しい任務があるからなんだ。

実はーっと。これを聞いたら使徒に成りませんって訳には行かないな。ごめんね。

理不尽な任務じゃ無いし嫌だったらやらなくてもなくて良いから。これは今までだってグレタさんキアラさんも同じだからね。

ただし我々は近いうちに帝都に行くから一緒に来て欲しい。マルチナ皇女を帰還させるのが目的だから。

無理だったら諦めるよ。この件は他言無用でお願いするけど。

あと私が異世界の亜神である事はいずれ広まると思う。アンバー高原に大きなモノリスを作って異世界の亜神アリスここに降臨って書いたからね」


「あのー。使徒を辞めたくなったらどう成ります?」


「辞めたくなったらしょうがないね。多分、本気で使徒である自覚が無いと称号に出ないと思うんだ。だから使徒になりますって言っても称号に表示されずって事もあると思う。

だから辞めたくなったら称号から消えると思うよ。

そうなったら、そのまま渡しておけない魔術は消させてもらう。それでお別れだね。

逆に称号に使徒と表示されていればどこで何してても使徒だよ。

一旦帝都に行けば取り敢えずの目的は達成だからその後は好きに活動するイメージかな。

そうそう。一応期間はあと1年後までです。

そしたら私は元の世界アースに戻るからね」


「えっ、アリス様そうなんですか?」


「うん。それが私の最大の目的。戻ると言っても分身を作るだけだから本体の私はイースに残るけどイースでは特にやりたい事はないから解散してもらって構わないよ。もし一緒に居てくれるならどこかで隠居生活するから一緒に隠居しよう。

希望してくれるなら私みたいに分身を作って私の世界「アース」に一緒に行く事もできるし」


「あたし、アースに行きたい!連れて行って下さい!」


「うん、良いよ。楽しくなるな。キアラさんと一緒か。ふふ」


「私も一緒にアースに行ってみたいです。よろしいですか?」


「グレタさんも大歓迎だよ。ああ、でもアースって魔法使えないんだけど、うん。こうすれば使える様な気がする。多分大丈夫。かな?」




「あのー私も使徒にして頂けませんか?是非アリス様と行動を共にして世界を回ってみたいです。アースの事も事情が分からないので今は行きたいとは言えませんけど」



「そう、使徒になってくれる?じゃあやってみよう。その前にっと。」


 神域干渉 及び 精神構造干渉 念話 神域から複写!そしてビアンコに転写!


 神域干渉 及び 精神構造干渉 神託 神域から複写!そしてビアンコに転写!



名前 サーラ・ビアンコ 

種族 人(女性) 

年齢 21  体力G  魔力F

魔法 光弾4土弾1ステータス5

   念話5神託5

身体強化 筋力1防御1

称号 ビアンコ男爵家長女

   ジェダイト公国軍中尉



「念話5と神託5。念話って聞いたことない。神託は持ってる人が殆どいない超希少魔法だし」


『やっほービアンコさん。念話は声を出さずに会話する魔法だよ。すごく便利なんだ』


『はい、聞こえます』



『じゃ始めるよ。

サーラ・ビアンコよ。これから我が使命を果たす手助けをするなら幾ばくかの恩恵と名ばかりですが私の「使徒」を名乗ることを許しましょう』


『アリス様、サーラ・ビアンコはアリス様の使徒になります』


『その願い聞き届けました。サーラ・ビアンコ、あなたを異界の神である亜神アリスの使徒に任じます。よろしくね。

そしてサーラ・ビアンコ公国軍中尉。

貴方を亜神アリスの名において、亜神アリス軍団中尉に任命します。

コミッションド・オフィサーであるからして責任は重大ですが常に私アリスと共にいて欲しい。

以後は必要に応じて階級呼称を行うものとします』



名前 サーラ・ビアンコ 

種族 人(女性) 

年齢 21  体力G  魔力F

魔法 光弾4土弾1ステータス5

   念話5神託5

身体強化 筋力1防御1

称号 ビアンコ男爵家長女

   ジェダイト公国軍中尉

   亜神(時空)アリスの第3使徒

   亜神アリス軍団中尉



「おお第3使徒になってる!良かった〜」


「サーラさんおめでとう!」


「サーラさんようこそ!」


「ありがとう〜グレタさん、キアラちゃん」




「ヨシ。丁度良いからお昼にしようか。

ハンバーガーセット4個、ホールピザ(マルゲリータ)1枚、鳥ササミとモツ出ろ!




「ささ、頂きましょう。あキアラさんコップと皿持ってきてくれる?

サーラさんの水は私が出してあげる。ふふ。ボブの水もね。



「水をコップに入れてピザを皿に配ってと。

それじゃさっきの襲撃での無事とサーラさんの使徒就任を記念して。いただきまーす」









「モグモグ。このハンバーガーセットってめちゃくちゃ美味しいですね?」


「そうでしょサーラさん。アースの料理だよ。私がこうやって作れるのは自分が食べた事あるみたいな条件があってね? 再現できない料理がたっくさん有るんだ。

アース中を巡って色んな料理を食べてみたいな〜」


「是非是非。私もお供させて下さい」


「よーし。1年後には全員でアースだ!」



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