第7話 一生分の"恩"
ダク:(…………。)
俺が目を覚ますと、セレーナの小屋で横になっていた。
既に俺にとっては、最初に目を開けて視界に映るこの天井が見慣れた光景になってしまった。
当時は此処が何処なのか、この世界はどんな感じなのか…を聞きたかっただけだったが、いつの間にかこうして身近に寄り添ってくれて、そして俺を強くすることに協力してくれて…。
セレーナには感謝してもしきれない。
一生分の仮が出来てしまったなと…ダクは感じていた。
仮に、その事を伝えても「ニンゲンと話せたお礼だから」で性格上、その時と同様のように済まされるだろうし、ここは潔く恩を貰っている。その方がセレーナにとっても変に気を使わせなくて済みそうだしな。
セレーナ:「あら、目覚めましたか…良かった。何かおかしい部分はないですか?」
セレーナが俺の様子を見に来た。俺が目を覚ましたことに安心している顔をしている。当時の俺からしたら考えられない表情だな…。
ダク:「あぁ、特に悪い部分はなさそうだ。」
俺は体を起こして、軽く体を動かしてみたが特に悪いところは無さそうなので、そのままのコンディションをセレーナに伝えた。
ダク:「強いて言えば、少し力が漲ってるような感覚がるような…?俺の勘違いかもしれないが。」
強いていうならば、今までより何でもクリアに見え、魔力合わせをした日以前よりも力が溢れる…気がする。
あくまでも俺の感覚だが。
セレーナ:「勘違いではないでしょうね。おそらく魔力が大幅に増加したから、基礎的なステータスも上がったんだと思います。その光景がダクさんの最高のコンディションって訳ですね。よくその感覚を覚えておくと良いですよ。」
なるほど…
確かにこの感覚が通常…もしくは最高の状態なら、今見える光景や感じている感覚が変だった場合、何かしら俺に異常があるというサインになるというわけか。
セレーナ:「さて、これで私とのトレーニングは一通り終了です。何だかんだダクさんと共に励んだ日々は楽しかったですよ。そこで…というのは変かもしれませんが、改めて最後に、もう一度実力の確認も兼ねて手合わせ…というのはどうでしょうか?」
ダク:「あぁ、ホントに感謝しかない。ここまで協力してくれてありがとう。」
セレーナ:「ふふっ いいですよ。何かの縁ということで…ね?
…さて、じゃあ早速いつものスペースに行って始めましょうか。」
ダク:(あぁ、【やっぱり】な…)
と俺は思いながら、俺たちは最後になる空間へと移動した。
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