第3話 強くなるために
その後、俺はセレーナが住んでいるという小屋に泊まらせてもらうことになった。
泊まらせてもらっているので、何もしないというのは俺は嫌だったため、家事などの手伝いを行いながらトレーニングを行っていく事にした。(セレーナも受け入れてくれた。)
朝になって…
セレーナ「おはようございます。ではトレーニングを始めましょうか。」
ダク:「分かった、よろしく頼む。それで、まずは何をすれば良いんだ?」
セレーナ「そうですね…ダクさんは強い力を手にしたいんですよね?」
ダク:「まぁそうだが…一応言っておくが悪いことに使う気は全くないぞ?」
セレーナ:「いえいえ、そのような事は疑っておりませんよ。強くなりたい、という意思確認をしておきたくてですね。…分かりました。ではまず基礎的な体力向上から始めましょうか」
どうやら体力強化から入るらしい。
セレーナ「では、まずこの森にある 別の場所に転移させますね。専用の場所を作っておきましたので。」
セレーナ「ーーー。」
セレーナは魔法を展開し、俺を転移させた。
転移先は、俺たちがいた空間よりも遥かに大きな空間であった。
セレーナ:「では、この空間を100周してください。」
ダク:「……は?」
セレーナ「あら、聞こえませんでした?100周。この周りを走ってくださいね。勿論スキルに頼るのは無しですよ?」
ダク:「いや、そんなに走ったら死んでし…」
セレーナ:「強くなりたいんですよね?なら、これくらいはこなしてもらわないと。あと、死にそうだなと思ったらこちらで回復スキルを発動させますから大丈夫ですよ?」
セレーナ:「それとも何です?強くなりたいと言うのは口だけだったとでも?」
そう言って、セレーナは俺を煽り始めた。
ダク:「……わかった…わかったよ…!100周ぐらいさっさと走ってやるわ!」
セレーナ:「えぇ、その息です!ちなみに、少しでもサボったら私の風魔法でバシバシ背中を叩いていきますからね?では早速いきましょうか。」
ダク:「………………」
俺はセレーナが妖精ではなく、マジの悪魔にしか見えなくなった瞬間であった。
◆
ダク:「はぁ……はぁ……」
タッタッタッタッ…。
セレーナ「いいですねー、その調子で行きましょうー。」
ダク:「…………はぁ…………はぁ………」
タッ…タッ…タッ…タッ…
セレーナ:「…おや?ペース落ちてますよ?それ…それ!(バシィ)」
ダク:「いってぇ!!…くっそぉぉぉ…!!」
タッ…タッ…タッ…タッ!
セレーナ「お、ペース戻りましたねー。そのまま、そのまま!」
ダク:「…………………」
タッ……タッ……ドテッ…
セレーナ「あら、倒れてしまいましたか。えぃ!(ポワァァン)…起きましたね?では続き、行きましょうか。」
俺は強制的に回復され、起こされる。
ダク:「くっ……………あくまめ…(小声)」
あっ。
セレーナ:「……おや?……なにか言いましたか??(ゴォォォォオ)…」
セレーナの後ろに悪魔が見える…。
ダク:「いえいえ!今日も綺麗ですね!(?)」
思わず気圧されてしまい、よく分からないことを言ってしまった。
セレーナ:「あら、お世辞でも嬉しいわ!…じゃあ続き行きましょうか。」
ダク:「悪魔めぇ…!!クソぉぉぉぉ!!!」
この人、人の心が無いよ!
むしろこの状況楽しんでるって!
ん?
あ、妖精だから人の心が無いのか…。
ダク:「あ〜…なるほどね…。」
セレーナ:「余計なこと考えてる暇があるなら、少しでも足を動かしてくださいね〜。」
ダク:「ひぃぃぃぃ…!」
俺は死ぬ思いで(実際、死んでいたかもしれないが)なんとか100周を走りきった。
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