第1章

第1話 新たな地での出会い


ダク:(………)


   (………)


  「んぁ……?」


俺は意識を取り戻し、うっすらと目を開ける。

体を起こし、辺りを見回してみた。


ダク:(ここは……)


辺りを見てみたが、一面森林であった。

人の気配は無く、辺り一面美しい木々と緑が並んでいる。



【地:???】



ダク:(あの神様め…ロクでもないとこに落としたんじゃないか…?命の危機はホントになさそうな気はするが…。)


とりあえず自分のスキルを確認してみる。

・"理解/F" (物事や事象を脳や身体で理解できる)

・"全属性魔法/F"(全ての属性魔法を放つ事ができる)

・"高速移動/F"(一時的に早く動く事ができる)

・"基礎強化/G"(基礎的な能力を少し上げる事ができる)


……こんな感じである。


俺はあの時"理解"スキルを使用し、部屋に発動されていた洗脳の存在を知れた。そして、試しに候補に上がっていた残り3つのスキルの理解に試みて、成功・習得した。

その上で、"全属性魔法"と"高速移動"を発動して、怪しさ満点だった目の前の神に攻撃を試みた。

結果、すんなりと避けられた事で、ホントに神である事を信じるしかなかったが…。


ダク:("基礎強化"スキル以外はFなのか。うーん、ということはスキルの使用回数とかでこのランクは上がっていく感じか?最高ランクがどこまでかはまるで分からんが。)


まだスキルの事について詳しくはわからないので、スキルに関しては後回しにする事にした。


ダク:(というか、この地ってどこなんだ…?転送先が都市とか村なら安心できるが、ここは森林地帯だし安心度は低いぞ…?)


とりあえず、このまま動かないのは良くないので周りを散策してみる事にした。


辺りを散策していると、開けた場所に着いた。

森を抜けたわけではないが、明らかにこの場所だけは木々が伐採されており、何かしらの形跡があった。


ダク:(ここだけ手が加えられて、開けた空間になってるな……ん?あそこに何かがいるな。)


ダクは目の前に何かを発見した。

とりあえずこの地の情報がほしいので、近づいてみることにした。


ダク:(突然すまない。色々と聞きたいことがあるんだが…いいか?)


???(………?)

目の前にいたのは綺麗な女性だった。

しかし、こちらを振り向くと


???「ーーー!ーーーー?!」


ダク:(……?ッ………?!)


目の前の女性は突然突風を辺りに撒き散らしてきた。

突然の攻撃にダクは風に飛ばされたが、体力と運動神経はどうやら良い方に向いてくれたようで、上手く着地する事ができた。


ダク:「おい、いきなり攻撃する事はないだろ!突然なのは申し訳ないがな。……というか、向こうはなんて言ってるんだ?何言ってるか言葉が通じないな…。もしや向こうも通じてないのか…?」



???「ーーーー!ーーーーーー!!」



ダク:「何て言ってるか分からない!」

ダク:(クソ…どうすりゃいいんだ…このままじゃ埒が明かないぞ…。何か良い手はないか…?)



???「ーー!」

目の前は女性は鋭利な形をした風魔法を打ってきた。



ダク:(うわっ あれはやべぇって!【スキル:基礎強化】)



流石に今の攻撃はヤバいと察知したダクは、スキルを使って何とか攻撃を避けた。



ダク:(ん…スキル?あのスキル使えば言葉通じたりとかしないか?)



ダクの脳内に一つのアイデアが浮かんだ。



ダク:(まぁやってみるしかないよな…!【スキル:理解】)


俺はスキルを発動した。



ダク:「おい、言葉が通じるか!通じてたら攻撃を止めてくれ!別に害を加えに来た訳じゃない!」



???「何なのよこのニンゲン、しつこい!あなたも私に良くないことしようと考えてるんでし…え?今言葉が通じたような…?」


ダク:「通じてるかー? 通じてそうだな?…俺はダクって名前だ!まだこの地に転送されて、この世界が何がなんだか全く分からないんだ!良ければ教えてくれないか??」


???「え、ホントに聞こえてるの?あなたと私は種族が違うはず…通じてる訳がない…よね?」


ダク:「その種族ってのは何だ〜?というかあなたの名前は何ですかー?」


???「ええ!?通じてる!?というか向こうの声も分かる…。聞こえてるの?私の声が?」


女性は徐々に落ち着きを取り戻し、ダクに問いかけた。


ダク:「あぁ、聞こえてるさ。いきなり目の前に現れたのは申し訳ない。ただ、俺もこの世界に来たのはほんの少し前なんだ。そこは信じてくれないか?」


???「…………。ーーーー。」


女性は何かの魔法を展開した。

ダクは、言葉が通じなかったか?と思った為、思わず身構えた。


???「……ごめんなさい。あなたの言ってることは全て本心のようね…。突然攻撃してごめんなさい。私の名前はセレーナ。この地の精霊で、このピフルス森林を護っているの。」


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