第28話
3D化記念ライブ配信が終わってから数日が経った。その間、僕達は生活の合間に配信をしていた。3D化をしてから僕達は新感覚
人狼ゲームのナインアスを主に配信していた。そして今日は配信が休みの日、僕は先輩の配信と後輩の配信を見て一日を過ごすのだ。まぁ、学校へは行くのだが……
僕が学校に着くと、クラスメイト達はそれぞれメイクの話や、ゲームの話で盛り上がっていた。僕はその場所を横切ってVTuberの話で盛り上がっている賢人達の所へと向かっていった。
「おはよう賢人、そして如恵留ちゃんも……」その言葉に二人は答える。
「おう! おはよう、海里! それと3D化ライブ配信良かったよな! 俺もVTuberになりたいぜ……」賢人のその言葉に僕達は少し不安な思いに駆られる。 賢人は僕達がVTuber活動をしている事を知ったらどう思うのだろうか? その事が頭から離れなくて僕は賢人の話にあまり聞く耳を持てていなかった……
そしていつも通りの授業が終わり放課後になった。僕は足早に家へと帰る。
僕が家に帰るとお母さんが出迎えてくれた。僕はお母さんに「ただいま! お母さん!」そう言って自分の部屋に直行した。
今日は本当に久しぶりに先輩の……梅たんの配信をみる。Vオフィス二期生になってからあまり見る機会がなかった推しの配信。
僕の心は映画が始まる5分前のように高揚していた。いつ始まるかな? その思いに
答えるように四時三十分、咲桜ウメの配信が始まった。
(咲桜ウメ)
#ゲーム雑談!!
#ワカバちゃんコラボ!!
……………………………………………………
『みんな? 咲桜ウメだよ!! 今日はね…… ワカバちゃんとのゲーム雑談だよ!! 楽しんでいってね! それではワカバちゃんを召喚!!」コラボのときのいつもの前振りが終わってワカバちゃんが喋り始めた。
「あ…テステス、 皆さん!!紅葉ワカバです! 今日はウメちゃんの所に遊びに来ました!! よろしくね!」 その言葉に僕を含めて一期生のリスナーが大量のスパチャを投げる。 僕は自分で稼いだ金額のうち、制限である一万円を投げ売った。その印は配信上の画面に出現する。その時ウメたんが僕に 気付いたのか、喋り始めた。
「えっ! 夜空たんがいる!! そうだ! 夜空たんも来なよ! 配信のゲームは米ブラだから夜空たんでも出来るよ!」 僕は感激しながらもメッセージで断る言葉を書いた。
「マネージャーが許さないと思うから……」僕が、そう返信するとその直後僕の言葉に
マネさんが、『Vオフィスなので全然OKです!!』そう返信してきた。僕の言い訳は全く意味を持たなくなった頃、僕は米ブラの
ソフトを入れてゲームを起動した。そして
ウメたん達がいる部屋へと入っていった。
「どうも………こんにちわ………天原夜空です……」その言葉にウメたんが絶叫したかのように可愛いと連呼した。 そのスピードでまたスパチャが加速する。 本当に僕が参加して良いのだろうか。そして僕達は米ブラを始めた。最初はワカバちゃんとウメたんで最後にウメたん対僕だ。ウメたんと一緒にプレイできる嬉しさと困惑で僕の頭はパンクするほどにまでなっていた。
僕は最初に下ボタンの連続押しでウメたんのキャラに攻撃を仕掛けていく。僕だって最初の頃からは信じられない程成長したのだ。
けどやはり先輩なのか僕の攻撃は全て当たらずリスナーの考え通りにウメたんに圧倒的大差で負けてしまった。…… 負けるということは、いつもと同じあれがあるのだ。あれとはウメたんの配信限定の罰ゲーム企画。
一週間配信で〜する生活シリーズだ。この企画はとても面白いが、とても辛い。どんな罰がくるのだろうか? 僕がそう思っているとウメたんが罰ゲームを発表した。
「夜空たんはこれから一週間。語尾にニャをつける生活!!」ウメたんのその声で僕の罰ゲームは決まった。そしてそのまま配信を締めるためウメたんは僕に言葉のバトンを渡した。
「最後に、サプライズなゲスト。夜空たんに言葉を貰おう!!」
その言葉で僕は言葉を綴る。
「みんな!! 僕をこの配信に誘ってくれてありがとう……ニャ!」僕のその言葉に
コメント欄と先輩方は荒れに荒れまくった。けど先輩は切り替えて配信を終了させた。……
配信が終わり僕が一階にいくとお母さんが夜ご飯を作って待っていた。僕は急いで手を洗い机に座る。
「いただきますにゃ! 」僕が、そう言うとお母さんは見守るようなそんな目をした。は、恥ずかしい…… けど一週間はこのままだ。 はぁ、明日の学校が憂鬱になる。どんな言い訳をしよう? 僕がVTuberということは学校で知ってる人は同期の如恵留ちゃんしか居ない。 もう、いいや! 僕はそう振り切って目を瞑った……
…………………………………………………………………………………………………………
ということで、日常回、かと思いきや配信でした。まぁ、日常ではあるんですが、急に決まった先輩とのコラボ。 次回は少し、物語を進めて、他の企業について話を膨らませようと思います。
もしこの話が面白いと思ってくれたのならフォロー、レビュー、その他諸々してくださったら嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます