元配信者の僕。VTuberになる！

第3話(初配信)前編

　配信日になって僕は緊張していた。初配信は三十分の配信らしい。自己紹介と、リスナー(YouTuberで言う視聴者)の呼び方を決めるのだ。先輩方は自分で決めたのを発表したりしていたが、僕はやっぱりみんなの意見を聞きたい。それが常識なのかは知らないけど…

　僕は今日6時の配信に向けてツイートをした。

(天原夜空)

　みんな……僕の初配信。見に来てくれると嬉しいな。

　＃Vオフィス二期生

　とりあえず初めてだったから今日の初配信の事と、Vオフィスを#で書いたのだが大丈夫だっただろうか？　ふとTwitterを見ると僕の他にも同期がツイートをしていた。僕の同期は「悪食ノエル」ちゃんと、「氷華ヒメナ」ちゃんだ。悪食ノエルちゃんは悪魔で、氷華ヒメナちゃんは氷の世界の王女らしい。　

　所で僕のVTuberとしての名前は天原夜空だ。

　とある星に住んでいた人々の生き残りで他の人は悪魔に亡き者にされた可哀想な男の子。悪魔を倒す為にVTuberになった。(一度挫折した)が夜空のプロフィールだ。

　これを配信で自分の言葉で説明する……　きちんと説明出来るだろうか？　そんな風に考えているとと時計の針は5時を指していた。急いで僕はYou Tubeを開き　Vオフィスチャンネルの『二期生お披露目！』と書いてある動画を開いた。そしてこれから二期生の配信が始まる……

(悪食ノエル)

　＃我のお披露目なのだ。

　＃Vオフィス

[Vオフィスコメント欄]

　米丸1号.遂に始まるぞ！！　Vオフィス二期生のお披露目会！！

　米丸後輩.あぁどんなVTuberが２期生として出てくるのか……　気になるぜ。

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「たったらたーん」そんなありきたりなBGMでVオフィス二期生の初配信は始まった。まず配信するのは「悪食ノエル」だ。

　悪食ノエルちゃんは、悪魔だ。古い眠りから覚めた真紅の悪魔らしい。

　そして配信が始まる。

『我を呼んだのはお主らか？』そんな声と共に画面の前に一人の幼女が現れた。

「皆の者！我は悪食ノエル。封印から目覚めた偉大な悪魔なのじゃ！」

　米丸一号.おぉ！のじゃロリか？

　米丸後輩.マジか。俺好きになったかもしれん……

　名もなき弟.けどまだ一人目だぜ？一人目でこれなら他にどんな二期生が居るんだろうか？ツイートは見たがまだ分からんもんな。

「うむ、皆の者。我の配信を観てくれてるようだな！」

「所で今から我の事を教えるのじゃ！」

「我は皆もわかっている通り悪魔なのじゃ！」

「我は遙か昔。この世界がここまで発展してなかったときに封印されてしまったのじゃ！」と言いながら悪食ノエルは自己紹介をしていく。

「それじゃ、次は皆の者の呼び名を考えたいと思うのじゃ‼　なんかいい意見はあるかの？」　

[コメント欄]

　無名.ロリコン

　無名.人間

　無名.家来

「有無。家来は良い案なのじゃ！ お主らの名前は家来に決定なのじゃ！」

「家来よ！名残惜しくも我がこの場所に居れる時間が残りわずかとなってしまったのじゃ！　我はこれからゲーム？とやらの攻略を目指していこうと思うのじゃ！」

「それと、もし我の配信を見て我について行きたいと思った家来たちは出来ればこのあと配信するであろう我の同士達も見てくれると嬉しいのじゃ！」

「それじゃ家来達よ！ またなのじゃ‼」

(悪食ノエル)

　＃我のお披露目なのだ

　＃Vオフィス

　チャンネル登録者︙5万人

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　流石ノエルちゃんだな。僕の同期の1人

　悪食ノエルちゃんの配信を見た僕は驚いていた。完全にキャラクターになりきっていたのだ。まるで現実世界の人間では無いような……二次元のように感じさせられた。

　僕は二期生のグループラインでノエルちゃんに

　メッセージを送る。「おつかれ様！」と、

　そして次は氷華ヒメナちゃんだ。僕はまた画面に目を移す。そして次の配信が始まるのであった………