第2話

 僕が高校生になって少し経った頃、僕の所にある広告が届いた。それは『Vオフィス二期生募集!!』そんな広告だった。

 Vオフィスは今をときめくVTuber企業だ。この企業には僕の推しのウメたん(咲桜ウメ) も所属している。もしも二期生として受かる事が出来たらどんなに幸せだろうか? 

 推しと同じ仕事が出来るのだ。僕はお母さんにお願いしにリビングへと向かった。

「お願いお母さん! VTuberとして活動させて!!」


「高校はどうするの? 貴方は配信活動と勉学を両立できるの?」お母さんのその

 言葉に僕は反論出来なかった。けど僕はVtuberになりたい。やっぱり配信者には思い入れがあるし、まだ続けたい。僕はお母さんに向かって言った。


「僕は絶対にVTuberに応募するから!!」僕はその時初めてお母さんに反抗した。

 するとお母さんは少し笑ってこう言った。「解ったわよ。応募して受かったらやってもいいわよ?」その時のお母さんはとっても優しく感じた。

 そして僕はVオフィス第二期生コンテストに応募したのであった……



 それから3日が経ち、僕は今Vオフィスの本社へと向かっていた。そこで試験が行われる。

 僕が本社へと着いてまずは受付へと向かった。僕が受付に居る受付員さんに「応募した天津です。」と伝える。すると1分後

 僕はいかにも試験部屋と言っても差し支えない部屋へと通されたのであった。……


 そして試験が始まった。まず最初に担当の人が僕に向かっていくつかの質問をした。

 1つ目がVオフィスに所属しようと思ったきっかけを聞かれた。僕は答える。


『前にYouTuberとしても活動をしていて、今度はVTuberとして活動してみたくなったのです!!」自分の思いの全てを担当の人に向かって吐き出す。ふと部屋の時計を見るともう十分以上経っていた。僕は恥ずかしくなって何も言わずにこの部屋を出て行った。

 

 あぁ失敗してしまった…… 一度配信者として活動していたのにも関わらず、僕は空気を読むのを失敗した。多分受からないだろう。僕は家に帰って自分の部屋に籠もった。    


 そして一週間後僕の元に驚きの情報が流れ込んだ。それは「天津様。Vオフィス第二期生コンテストに受かりましたのでご報告します。」そんな事だった。僕は知らぬうちに合格していたのだ。僕は不思議になりながらも嬉しさに体を任せた。


 そして翌日

 僕はマネージャーさんに会いにもう一度本社へと向かっていった…… 僕が本社へと着いてまずした事は自己紹介だった。「どうもこんにちは! 天津海里です」

 

 天星official物語の時と同じ雰囲気で僕は自己紹介を始めた。すると周りの人達が目を見開く。何でそんな反応をするんだろう? 

 その直後マネージャーさんが言葉を発したのだ。


「天星様?」

 その一言に僕は何も言えなかった。それが無言の肯定と思われたのか、マネージャーさんは目に涙を浮かべてこう言った。


「お帰りなさい。」


 その時のマネージャーさんはVオフィスのマネージャーとしてではなくただ一人のファンとしてこの場に佇んでいた。ただ凄い事に

 一瞬でマネージャーさんは仕事モードに切り替えていた。僕も負けじと最初の初配信について計画をマネージャーと練る。普通ならここで配信上の諸注意などを教えられるのだが僕はYouTuber活動をしていた時にそれらは完璧にマスターしている。


 そういえば、このVオフィスの二期生は僕を含めて3人居るらしい。しかも僕は最後のトリを務めるのだ。あぁ心配だな…… うまくトリを務められるのだろうか? けど、迷っていたって何も変わらない。それは一度YouTuberとして活動していたから十分分かっている。


 初配信の日程は明日。僕は自分とマネージャーとで決めたキャラクター

「天原夜空」の設定を読んだりして初配信まで時間を潰した。そして一日が経ち、初配信の日がやって来たのであった。………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る