さいごに
いかがだったでしょうか。南北朝の動乱の前後を含めた歴史をまとめてみましたが、本当はまだまだ語るべき部分は多く残っているはずです。
それにこの動乱には、政治・戦乱としての見方をすれば、こういった少なからず俯瞰的な公家・武家の歴史として捉えることができますが、一方で農民によりスポットライトを当てた場合、全く異なる評価を下すこととなる可能性を秘めています。
それは仏教や文化面でも同様です。
これらのことは、多くの時代で言えることながら、より顕著に語り掛ける歴史、それが私たちが振り返ってみた「南北朝の動乱」なのです。
私たちは経験の上で、何かに偏れば、右翼左翼よろしく、自身で分かりやすく物事を解釈することができるようになります。
それは便利であるからこそ、危険性をはらんでいます。
ですが今回のように、歴史分野に対し、注視してみるという試みは決して悪しきものではないどころか、より大きな目線を結果的に育むための入り口でさえあるのです。
戦前教育では「南朝こそ正統であり、天皇に対し、忠君であれ」といった偏った見方をなし、また戦後ではそれを極度に批判したがために、南北朝研究ならびに教育は不人気となりました。
ですが本稿をお読みいただいたアナタは、この歴史をどう捉えられたでしょうか。
きっといずれにも与さず、知的好奇心によって私のあとがきをお読みいただいているはずでしょう。
私は在野研究者と名乗ることすら憚られますが、しかし、一人でも私の関心を連鎖することが出来たなら、それは執筆と知的好奇心の勝利を意味するほどに素晴らしいことです。
そしてそれは、ほんのわずかな興味によって、各人が成し遂げることの可能なものであるため、是非とも今度は、アナタ自身が、何らかの関心を私やその他様々な人に向けて投じてみてください。
今回をもって、当補修は終わりです。お疲れさまでした!
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