第32話 傲慢


[慢心は人間の最大の敵だ。]


簡潔かつ人間の弱点を正確に捉えた、何一つ不純物がないこの言葉は、かの有名なシェイクスピアが残した数ある格言の一つである。


孤児院にいた頃彼の本を読んだことがあり、時折考え事をしては、この言葉が頭をよぎる。知識としてこの言葉の意味を理解してはいるが、実際にはそういった場面に陥る、すなわち慢心してしまう出来事に陥れば人間は我を出さずにはいられないという性分が働く。


ただ「この言葉の意味を理解して、行動に移しているのか」となると大多数の人間は出来ていないことをみんなも気づいているのではないか。


この言葉の裏に隠された、人間という生物の『本質』を垣間見ることができることも恐らく大多数の人間は知ることもない。


自分には非凡な才能がある。ほかの人には負けられないものを持っているなど根拠もなく、無意識に自分の能力に無限の可能性があると信じてやまないのが人間の『本質』の一部だ。だからこそ競争社会が生まれるし、まつりごととしてその人間の『本質』を利用した催物もよおしものも開かれ、同じ人間同士だからこその人気を博している。そこにはきっと喜怒哀楽の感情が不均一に交りあい、競争して得た結果だけがイベント開催の目的に移り変わる。


何とも非論理的なことを好き好んで行う点においては脳がない動物と同等の判断欠如だ。


____


影山家殺害事件の現場、B棟二階にある資料室に誘い出され、脳がない動物同等の人間に喉元にカッターナイフを突きつけられ、オレの命は今まさに危うくなっていた。


「あんた…よくもやってくれたわね。あの時の私の借りをもう忘れたってわけ?私の過去をどうやって調べた!?あんたを救ってあげた私の気持ちはいったい何だったわけ!?」


「一度に複数の質問をしないでください。まずどれから答えればいいんですか」


「あ?うっさいわね。あんたのそういう上から目線なとことか、他人なんかどうでもいいって思っている感じホントに嫌い!」


「機嫌を損ねさせたことは謝ります。すみません。なぜわざわざ一限目の授業が始まる前にオレを呼び出したんですか?こっちは体育の授業でちょうど体力測定をしなければならなかったんですよ。おかげさまで放課後居残りすることになりました」


そう言ったとたん、カッターナイフを持っている彼女の右手に力が込み上げられ、皮膚にはまだ傷はついていないが、刃の部分が喉元に押し当てられる。


…流石に距離とったほうがいいか。


と思った矢先、空いた左手でオレのネクタイを強引に自分のところへと引きつけ、安易に動けない状況ができてしまった。


獲物を捕らえた後は絶対に逃がさないという、決死の覚悟を目で強く主張してくる。


少しでも変な動きをすれば切られるな。


「はっ余裕こいてんじゃねぇぞ!ガキが!お前は『別隊』の一員だってことはわかってんだよ!このことが学校に…いや、社会に知らされればお前の立場が…あぁ、そうだった!くそっ!」


自分の発言に非があると即刻気づいた彼女はネクタイを掴んでいた左手を離し、綺麗めなストレートの髪をぐちゃぐちゃにかきむしる。もはや彼女…『平野翼』になす術はないのは本人が強く自覚しているはずだ。


「はぁはぁ…くそっ!くそっ!」


子供じみたように地団太を踏む先生。


「仮にオレのことを世間にばらしたら、どうなるか。『別隊』を知っている平野先生共々、存在は抹消される運命に変わりありません。それにあなたは須賀真理子教授や沖谷原教授とも繋がりがあることもこちらは把握済みですし、彼らからあなたの情報はある程度得ています。あなたはSSFの『協力者』にならなければなかった。この事実をオレが知っているだけでもうお分かりでしょう。『協力者』の『平野翼』ではなく、一般人としての『平野ツバサ』としてでもあなたは犯罪を犯していることも調べはついています」


SSFの『協力者』にならなければなかった。


この過ち以外、今まで順調に生きていくことを装うことができた彼女の慢心は受け入れがたい事実だろう。


見過ごしていた事実を真に受け止めきれず、動揺してみせている。


人間の『本質』がこうもあらわになると、自分の本当の気持ちにフタをし続けて生きてきたに違いない。それは本人にしかわからない苦痛であり、だれにも相談できなかったものであると、うすうす感じ取れる部分がある。


「ははっ…はは!何もかも詰んでるじゃんかよ! 私が過去にやらかした犯罪や『協力者』だっていうことも…真理子や沖谷のおっさんのことも全部知ってて、証拠もすべて用意してねぇと、ここまでの話はできねぇはずだし、私の誘いにまんまとのせられるわけだ。あぁ…うぜぇ。私が費やした時間がお前のせいで全部パーだ…」


平野先生の言う通り、オレは須賀教授と沖谷教授に接触を図り、彼らから上手く平野先生について詳しく情報を聞き出すことに成功した。もちろん平野先生だけの情報を手に入れた…なんて安い土産を持って帰ってきたわけではない。にもかくにも早々に邪魔者である平野ツバサを排除することができ、心なしか少し清々する。


「これからどうするのかは自分で決めてくださいよ。あなたがここまで追い詰められた以上オレに変な真似はできないことは分かっているはずです。そのカッターナイフを大人しくしまって、これからも守秘義務を貫いて早々に退散してくれれば、こちら側は何も手出ししないと誓います」


「この話は無かったことにしようって口約束で済ませようってか…ほんとなめられたもんだなっ!どのような形であれ、お前にとってメリットがない話だろぉが!信用できねぇよ」


自暴自棄になって思考が乱れている状態の彼女が、オレにとってのメリットは何なのかただ考えていないだけだ。落ち着いてよく物事を見て考え、人の気持ちを尊重できる心があるならば自ずと見えてくるはず。


「早々に手を引かないのなら、あなたの人生これから真っ暗になりますよ。ただの注意だけではありません。警告です」


「はっ…私の人生お先真っ暗…あぁ! わけわかんね。何を言ってんだよ、お前!」


聞き耳を持たない以上、話すのは面倒だな。あとは勝手に…


「……はっ、そうかよ」


平野先生は再びオレのネクタイを掴み、強引にオレの顔をぎりぎりまで近づける。互いの鼻先が触れ、目と目が向き合い、先ほどまでの彼女の怒りを帯びた目は喜びに移り変わっていた。


「全部パーか…えっ、てっことはこれから何やってもいいってことだよね…ね、そうでしょ?そうじゃないとおかしいよね。つじつまが合わないよね!フェアじゃないよね!ふざけんなよっ!」


またしても怒りの感情に戻り、情緒不安定であることは火を見るよりも明らか。


もはや考えることをやめ、本能をむき出しにした平野先生は、まさに毒蛇のように獲物であるオレに飛びつき、うまく足をかけられたオレは態勢を崩す。地にしりもちをついたオレの上にすとんっと平野先生がまたがった。


怒りの沸点を大幅に超え、感情は怒りから喜び…あきらめに満ちた彼女の顔は見るに堪えず、刃を更にむき出しにし、カッターナイフをオレの目元までに突きつける。


「ふぅ……」


しかし手がガタガタと震え、こうまでして刺さないとなると、彼女は人を殺した経験はないことがわかる。おまけに今の彼女に似つかわしいことがだが、同じ人間を殺すのは禁忌きんきだと、一種の自己防衛本能…理性がまだ働いていると分かる。なら今からオレがやるべきことは









____ダンッ!









「…おっと!お取込み中だったかナ!ソーリーソーリー! 平野ティーチャーと……ん?そこのシルバーボーイは二組のセートだったかね。日本でいう禁断の愛を今しかない青春時代に謳歌おうかしようということかい?」



力強く引かれたドアが壁にぶつかり、大きく鈍い音が鼓膜を刺激した。

身長は二メートルほどで日本人離れ、もはや外国人でもそうそういないほどの体格の大男が、左手にもつリードバックスのアイスコーヒーを飲みながら、ニヤニヤとオレらを見下ろしていた。


ブロンドの髪に薄く赤の色みを帯びた特徴的な容姿。今田吉樹ほどの強烈な印象とまではいかないが、こんな状況下では一瞬思考停止したほどである。


「そこのティーチャーはワタシのクラスの担任なんだが、他クラスであるシルバーボーイとはどういう接点なのかな? そういえば自己紹介してなかったね。ワタシは…」


「一年四組の問題児…天王寺谷理仁てんのうじやりひとだろ」


「ハハッ!他クラスにまでワタシの名が知れ渡っているとは思いもしなかったよ!実のところトラブルメーカーと呼ばれるのは気に食わないんだよね。

ホラッ、ワタシという人間は真面目で堅実な性格なのでね」


「今日お前と話すのは初めてだが、微塵みじんもそう思わないのはオレだけか。あるいはほかの生徒にはお前が真面目に見えているのか?」


「ハハハッ!なかなか面白いことを言うじゃないか!シルバーボーイ。今まさに『三途の川』という日本の観光名所を横切ろうとする中でジョークをいえるほどとは!しかしアメリカンジョークの面白さとは程遠いものだね」


「…さっきからてめぇらの自己紹介はどうでもいいんだよっ!うぜぇな!」




パキンッ___




手に持ったカッターナイフがオレの顔ど真ん中に振りかざされるも、反射的に顔の位置をずらすことで串刺しになるのは免れた。

勢い良く床に当たった刃が平野先生の後方へと素早く飛んでいった。

先生がオレに馬乗りになっていても、たかだが45から50ちょうどの体重で動きを封じ込めることは不可能だ。ましてや我を失って考えることをやめた人間の攻撃をよけきることは容易たやすい。


「ったく…なんでよけんだよっ!早く死ねよ!オラァ」


「平野ティーチャー!これはひくねぇー。レディのたしなみが一ミリも感じられないよ」


「あぁもう!これを見られた以上お前も関係者か……毎回毎回お前にはいい加減うんざりしてたんだよ。注意しても遅刻はするわ、授業中は机に足を乗せて眠るわ、ほかの生徒と仲良くできないわ、数え切れないほどの問題を抱えてんだよっ!うちの生徒だからっていって殺しちゃあいけないってことはないよな!」


平野先生のこのありさまを見ても何も動じず、ただニヤついた顔で傍観していた理仁にターゲット変更。


よろめき立ちながらもオレの上から避け、オレの腹部を土台にし、跳び箱の飛び台に踏み込むようにして飛んでいく。理仁との距離はわずか3メートルほど。瞬時に飛んでいった彼女は理仁の顔面に向けて手を伸ばす。


オレの上からどいた時、すでに新しくきだされていた刃。手を伸ばした先に持っているカッターナイフの先、数センチほど、奴の眉間みけんに突き刺す未来は見えている。そんな命の危険も知らず、優雅にストローをくわえてアイスコーヒーを飲んでいる巨漢。見た目こそとても高校生徒とは思えないが、名簿上正真正銘オレと同じ15歳であり、一般の高校生である。


SSFに深く関わる平野翼の手で殺されたとなると、それを知った上の者は天王寺谷理仁に関係する人間すべての素性を調べることになるだろう。すなわち『協力者』としてこの先生きていくか、そのまま死ぬか。その二択だ。



______なっ!



仰向けになっていても手を伸ばせば、すぐ彼女へ届く。理仁へと飛びつこうとしていた先生の右足をがっと掴み、とっさのことで訳が分からなくなった彼女は両手を駆使した状態であったため、顔を守る造作をする暇もなく、顔面から落ちていく。


「…がっあ!!」


勢い余って顔面を強打した先生はどうやら気を失ったらしく、涙と鼻水と鼻血が多量にあふれたまま消沈。


喧騒が終わり、静けさが訪れる。


「フゥーン。実にみにくい顔をしているものだねぇー。こんな汚いレディがワタシたち四組の担任とはつまらないジョークだよ」


自分の身の危険があったことを知らぬ存ぜぬの顔して、見るに堪えない平野先生の醜態をまじまじと観察する理仁。


命知らずなのかこいつは。


人間なら誰しもあの瞬間、反射的に自分に向けられたカッターナイフを阻止しようと避けたり、手で防ごうとするはずなのに、こいつの場合はその素振りすらなかった。反射という防衛機能が正常に機能していないとなると、一種の病気だ。


「お前こういうの怖いと思わないのか?」


馬鹿らしいと思いながらも、ありきたりなことを問うた。


「怖いとはどこらへんのことかな?ワタシにはさっぱりわからないな!ハハハッ!」


「まぁ無事だったし、次は気をつけろよ。オレはこれから電話してくるからそこで待っててくれ」


資料室からいったん出る間際に、そう言ってみたものの


「ハハハッ!ワタシはヒトの命令を素直に聞く耳は持っていないのでね。残念だが……」







______はっ、あめぇな、ガキがっ!







_バダァン!!








「カっ!!!」





理仁の発言の途中、思いもしないところから平野先生に奇襲される。



急に立ち上がり、カッターナイフを持った腕が理仁の心臓の位置へと、確実な死へと繋がる一刺は、床にいた子虫を何のためらいもなくはたきつぶすように繰り出された理仁の右手、はたき落としによってあっけなく無駄に終わった。




「ワタシに刃を二度も向けたんだ。今度は腕だけじゃなく、頭もつぶしてあげようか」




この発言で一度目の攻撃は本人は気づいていたことが分かった。反射が働かなかったと思っていたオレは誤認していただけで、理仁なら防げていた状況だったのだ。


「おいおい、すごい音したぞ。ってかカッターナイフはどこだ」


はたかれた腕から持っていたはずのカッターナイフが消えており、辺りを見回しても見つからない。


「ホラッ、これを見ればわかるだろう?」


理仁の指さす方向は、


「下…どういうことだ。下に行くはずなんて…いや、壁際の窓ガラスを突き破って外にいったとなれば……まじかよ」



半信半疑であたりを確認してみると、資料室から出た先の廊下の窓ガラスがカッターナイフが突き破ったと思われる跡を残し、パラパラと破片を落としていた。



下に指を向けたのは、ここ二階の資料室から地べたへと落ちているっていう意味か。



それはそうと……全校舎強化ガラスのはずなのに、それを突き破ったとなると…






「っあぁっっー!!うでがぁ!!いたい!いたいぃー!」






異常なほどの力が直接のしかかった彼女の腕の状態は深刻なはず。


急いで確認してみると床に激しく打ち付けられたと思われる手のひらが真っ赤にれ上がっており、スーツの袖をまくってみてみると、明らかに骨が折れている……砕けている個所が何か所も見受けられるほど。


ぱっと見で判断できたものしか今は分からないが、オレが思っているより遥かに重傷だろうな。


「うっがぁ!しぬぅぐぅ~!」


骨折部位には激しい痛みを伴うことが多い。骨やその周りの組織には痛みを感じる神経があり、 特に骨膜と呼ばれる骨の表面には、その痛みを感じる神経が多存在する。骨折するとその神経が興奮して痛みを感じやすくなるが、激しい痛みは数日中に収まる傾向が多い。


治療開始後の比較的強めの痛みは1~3週程度で落ち着くが、彼女の場合は通常の骨折に加え、よりひどい激痛を感じる粉砕骨折もしている。骨や骨膜にある神経も同時に砕けて破損していることだし、2,3日は免疫能力が働いて回復している間、激しい炎症を伴うだろう。


先生の腕の負傷部を近くにあった新聞紙の束で固定し、応急処置を施す。


「理仁。一旦この校舎から離れててくれないか?」


「大体察せられるが、このワタシがいてはマズイことかな? それともこのレディに何かまだ用事でもあるのかい?」


「それを話すことはできない。とりあえず今は…」


「チープではないのでね。要件を話してくれないとどかないことは、シルバーボーイには分かっているだろう」


特に気にしてはいなかったが、理仁という人間は傲慢ごうまんな男だ。有名ブランドの高級ピアスやネックレス、様々な宝石がちりばめれた腕時計、見るからに金…こちらにメリットがない話は嫌いだというイメージがこびりつく。


「分かった。この事態はそもそもオレと平野先生の問題だ。無関係のはずだったお前に迷惑はかけられない。それにここまで先生に傷を負わせたとなると被害者として見られるのは彼女の方だろう。お前が下手に関与すれば、この先の進路が危うくなるぞ」


それを聞いた理仁は右手を払い、すっくと立ち上がる。


「ナルホド。シルバーボーイなりのやさしさがあってのことか。いやいや!人の良心を汲まなかったワタシはなんてサイテーなのだろうか!ハハハッ!ではこの件はキミに任せるとしよう!なぁに、ワタシとて人並みのココロがあるってものさ。 その分の対価として後日『お礼』をしよう!スィーユーアゲイン!」



低音で大きな笑い声とともに彼がこの校舎から出ていくまで見届けた。



彼と別れた後はすぐさま先生のカッターナイフを拾い、割れて下に落ちた窓ガラスも慎重に拾って、ポケットの中にあったレジ袋の中に詰め込んだ。目立たないように先生と一緒にここまで来た道順で現場まで戻り、オレは急いで岡研へ電話を繋ぎ、救急車の手配をした。



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_____



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「ったく…どんな骨折してるんだか。こりゃあ陸人…いくら何でもやりすぎじゃあないか?」


変装マスクを付け、救急隊員に完全に成りすましたジーニや他の研究員3名ほどが10分足らずでかけつけてくれた。


担架で彼女を運び、訓練通りのやり方で救急車内に運び出し、適切な処置を施す。


「つべこべ言わず、お前らは早く戻れ。正門からここまで救急車で来れたのは賭けだったが、お前らは今身分証明できるものがない以上、早々に立ち去らないとマズイことになる…」


にもかかわらず、なぜこいつらはマスク越しからでもわかるほどニヤニヤしているんだろうか。


「ふっくぅははは!案ずるでなぁい!すでにその対策はばっちりだ…ほれ!」


そう言って首にかけてある透明なカードケースに入った紙は紛れもなく、医療従事者を証明する偽装証明書が掲げられていた。


「お前らどうやって…ってかいつの間に」


「したり顔しているジーニさんは何もしていないですよ。全部悟さんと須賀真理子教授、沖谷原教授のおかげです」


「…くっ…ま、真理子さんっ…」


想像を絶するほどの痛みに苦しんで先ほどから意識がもうろうとしている平野先生が「須賀真理子」の名前に反応する。


「後で会わせてやるから、ゆっくり寝ていろ!悪いようにはしない!ふっくくくははは!」


彼らにカッターナイフや地べたに散乱した窓ガラスを預け、少し安堵した面持ちになった彼女を見届けてから、オレは一時限目が終わるまでの10分間、彼らに頼んで用意してくれた工具や代えの窓ガラスで割れ窓を張り付けなおし、すべての証拠を隠滅させた。


多少イレギュラーがあったものの、これで事件そのものの発生源は無に帰したのだが、救急車の存在は監視カメラに映っているだろうな。


ほぼ100パーセントその存在に見過ごさないであろう円谷校長。


彼の動きに応じてここからどう対処するか考えないといけなくなってしまった。





「だが、さすがにこの件は須賀教授と沖谷教授の協力がなかったら詰んでいたかもな」




彼らとの接触を図ったことは多少リスクはあったものの、それ以上にメリットがあった。今後の行動範囲が広がった。そう思う。



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_____



色々な対応を研究員らに任せてから別れ、一人になる。

二組教室へと戻ろうとするも手前で待ち伏せていた理仁に出くわし、話し相手になってほしいと言われ、制服のまま校舎を出た。





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