第十四章 呪いの本
第十四章 呪いの本
一人になったベッドで
天気に関わらず、週末は家から一歩も出ない。昼寝か
朝食を終えると二杯目のコーヒー片手にリビングのソファーに座った。お酒と同じくらいコーヒーも好きで十杯以上飲むこともあった。私はサイドテーブルにコーヒーを置くと、もう片方の手に持っていた本を開いた。昨日預かったラーマーヤナだ。歴史の授業で習ったことがある。ラーマーヤナはインドを代表する
「もしもし。」
「
「はい。
「あのう、今、
「今どちらに?」
私の担当ではないが、失礼があってはいけない。
「
「・・・お二人にご覧頂きたいものがあるのですが、持って行ってもいいですか?」
「はい、もちろんどうぞ。」
雨の降る土曜日の真っ昼間に私は本を持って
先に店についていた
「やあ、
「私も
私は
「何かな何かな。」
「ラーマーヤナです。」
私は紙袋に入れて来た美しい本を取り出した。二人が息をのんで目を
「それは、どうしたの?」
「昨日、
私は奥様から聞いた話をそのまま伝えた。二人の様子が明らかに変わった。何か恐ろしいものでも見ているかのような青ざめた表情に変わった。
「持ってて何ともない?」
「何ともありませんが?」
私は質問の
「本を開いてみた?」
「
「やめろ!」
「え?」
私は本に手をかけ、ページを開いていた。
「考えすぎだったみたいだ。」
「この本がどうかしましたか?」
私は二人に尋ねた。
「昨日、ラーマーヤナの呪いの話をしたでしょう?あの話にはまだ続きがあってね。ラーマーヤナの
「
「え?あ、でも・・・。」
「大丈夫。
「
横から目を
「お願いします。
水川は
私は何かに呼ばれたような気がして、ふと持っている本に目を落とした。
「分かりました。
私は顔を上げるとそう口にしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます