第五章 一人、二人【R】
第五章 一人、二人
私はそのまま
何のこともない一日だったが、まっすぐ家に帰りたくなかった。昨日も飲んだが今日も飲みたい気分だった。でもマスターのいないあの店は物足りなく感じたし、二日連続で通ってあの新しいマスターに店を気に入ったと
「新しい店を
私の答えはそこに行きついた。かねてから一度入ってみたいと思っていた会社近くのバーに行ってみることにした。
バー・グレン・エアの
「いらっしゃいませ。」
「どうも。」
私は
「初めてのお客様ですね。カウンター席にどうぞ。」
ここのマスターは
「何にしましょう?」
「ええと。」
私はマスターの後ろにある
「リベリオン。」
私がそう言うと、マスターがふっと
「リベリオンですね。」
マスターは
「どうぞ。」
マスターが差し出した。
「
初めて訪れた店でそう声を上げてしまうくらい
「ありがとうございます。」
マスターは優しく
「マスター、二杯目はマスターのお
一杯目が空になる前から二杯目に
「何か
「
「分かりました。」
二杯目に出て来たのはレッドチェリーが
私は『また来ます』と言って、
そう。私は家に帰るつもりだった。そのつもりで
「いらっしゃいませ。」
そう言ったのが聞こえたが、
「どこかで飲んだ帰りですか?」
男がおしぼりを差し出しながら尋ねた。
「リベリオン。」
「REBELLION?」
「お店の名前ですか?」
私は
「マルガリータ下さい。」
「マルガリータですね。」
男はそう言うと、昨日と同じように
「どうぞ。」
昨日と同じ白いマルガリータを差し出した。私はグイっと
男は私の顔を見つめていた。『
「
作ってもらった
「ありがとうございます。」
男は少し
「今日はお客さん私だけなんですね。」
私は店内を
「ええ。今日はもう店を
男は
「
私はマルガリータのグラスを
「どうしましょう?」
男は
「一緒に帰る?」
私はそう言って男を誘った。もう二度とこの店に来るつもりはなかった。それならこの男を試してみたいと思った。ダンサーのようにいい体をした男。
「一緒に帰ります。」
男は
名前も知らない男を家に連れ帰るなんて、自分はとんだアバズレだと思う。けれど誰かにそれを
「シャワー
私はそう言って男をリビングに残して
シャワーを
「ご家族ですか?」
「そう。」
「お亡くなりに?」
「そう。」
なぜ分かったのだろう。
「一軒家に連れて来られたので、少し驚きました。てっきり誰かいるのかと。」
ああ。そういうことか。独身女がマンションを買うことはよくあることだが、
「二人共少し前に亡くなったの。今は一人で住んでる。」
「
「・・・そう。」
「最近までいました?」
「何でそう思うの?」
「
男は何度
「シャワー
私はそう言って男を
リビングに一人になると猫が写った家族写真を手に取った。メソメソと過去を振り返るのはガラではないが、この写真を見るとつい思い出してしまう。去年まで一緒にいた毛むくじゃらの
「ケイ。」
私は写真の中の彼を
「こっち。」
私は男を自分の部屋に
部屋の扉を開けて中に入ると部屋の中央の
「
ベッドの上に乗って来た男に尋ねた。
「いいえ。」
男は短く答えると、私の顔から
男は私の
男の
「ちゃんと
男はそう言って、自分が
「一回、手でイかせて欲しい?」
男が尋ねた。
「うん。」
私は
男は早く
『何が
男の指の動きが変わって早く大きく動き出した。男の手は
「イった?」
男が尋ねた。
「うん。」
私はただ
「次はもっとイかせてあげるから。」
男はそう言って、
「足を
男が言った。私は言われた通りに男の
「気持ちいい?」
男は動きながら
「うん。」
私は
「イった?」
何度も
「うん。」
私は
「じゃあ、そろそろ終わりにするね。」
男はそう言って、私の口を
「んんっ!」
私は男を
「どういうつもり!?
私は男に
「嫌なら最初から
「出て行って!」
私は怒りに
「・・・今夜
「はあ!?」
「聞く耳を持ってないならもういい。」
男はそう訳の分からないことを言うと、
私は
「
いつまでそうしていたのだろう。次に目を開けると、そこには何もいなかった。まだ口をつけていなかったビールが床に転がって、中身がこぼれ出していた。飲み過ぎで
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