三+四章 【追憶】2
「国境警備軍」は、霧厳山脈からエルハイム側に流れ込んできた霧についての作戦会議を行っていた。
翌日に北の国境線沿いに索敵部隊を配置することにはなったが、既に将軍と一部の部下は会議が始まる前から霧厳山脈に侵入し、調査をしていた。
「これから何が起こるかは分からんが、十分に気をつけろよアル。人は、死んだら死ぬんだぜ」
「そんなこと分かっています。貴方に言われなくても、この胸に刻んでいますから」
金髪の貧乳美女「アルドレド」と筋骨隆々の「クリス」が会議後に話をし、戦争の恐ろしさと、この世界の主人公について意見を交わす。
一方主人公たるギルドルグたち三人も入山していたが、洞窟での休憩中に人間のような謎の「影」に襲撃される。
襲撃の際、「ダズファイル」と名乗る男が現れ、「影」を統率していたが突如として消え去った。
「この山脈の主、ダズファイル・アーマンハイドを忘れるな。十五年前の惨劇を、このエルハイムで必ず再現させてやる」
三人は困惑するが、ダズファイルの消失と同時に現れた国境警備軍に取り押さえられ、軍の駐屯地へと連行される。その際、ギルドルグがかつてエルハイムを救った英雄の息子だと暴露される。
「そうです。屈辱の敗走、前の大乱、南北戦争。たった一つの侵略に数多くの名はあれど、そこで生まれた一人の英雄と言えば彼しかいない」
「ジャック・アルグファスト。つまりこの人は、かの英雄の息子というわけですよ」
翌日にピースベイク将軍らと三人は話をすることになり、その場にてキョウスケから受け取った剣はギルドルグの父親の遺品であると明かされる。
霧厳山脈の依頼について話をするも、軍は軍で一般人を巻き込むわけにはいかず、入山の許可はとれなかった。
依頼を続けたい三人と諦めさせたい軍の意向はぶつかり、三対三の団体戦で勝利した方に従うことに。
「まずは俺が行ってやるよギルドルグ! テメェなんざ要らねぇってことを証明してやる」
「いやはや、若いなァ」
ゼルフィユとディムが戦い、ディムに圧倒されゼルフィユは敗北を喫するも、最後の最後で一矢を報いてみせた。
「貴方には何故か負ける気がしないわね。悪いけど、貴方にはないものを私は持っている」
「覚悟ォォォォ!」
ユウとアルドレドが戦い、同じようにアルドレド優勢で進むも、ユウの異能での不意打ちを食らわせ、ユウが勝利する。
最後にギルドルグと、不穏な動きを見せているライドが戦うことに。
「君に、英雄の名を継ぐ資格はあるのかい?」
「そういう奴らに認めさせて、証明すんだよ。俺が英雄の息子だってよ!」
ライドの猛攻と、心を砕くような質問を浴びせられるギルドルグ。しかしなんとかしのぎ切り、最後には父親の創出した剣技、英雄の
ゼルフィユの回復を待った後、今の霧厳山脈の異常を説明され、軍の四人を加えた七人で入山することになる。
そこで、彼らが出会った「ダズファイル」は、十五年前に死んでいるはずだとピースベイク将軍に明かされるのであった。
「――俺は、選ばれし者じゃない」
ギルドルグの旅路は、佳境に入る。
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