電撃小説大賞投稿時 梗概

「俺が世界一の小説家になって、あやせが世界一の漫画家になる。そしたら、一緒に世界一の漫画を描こう!」

 幼い頃に交わした約束。しかし、田子夏場を待っていたのは残酷な未来だった。

 売れっ子漫画家になった幼馴染の少女、冬見あやせ。一方の夏場は努力の甲斐なくしても作家志望のままだった。

 そんな折、あやせを庇い、交通事故に巻き込まれてしまう夏場。

夏場は搬送先の病院で、桜木初野という少女とであう。初野は自分が人気イラストレーターであることを告げ、一緒に漫画を描こうと提案してくる。

 あやせに追いつきたい。そんな一心で初野の提案に乗る夏場。

 二人は完成した処女作をツイッターに投稿し、十万『いいね』という大きな結果を打ち出す。

 勢いづいた二人は、ツイッター漫画の『いいね』数を競う大会、門山大賞の頂点を目指し、新作漫画を打ち出していく。

 新作漫画、『ノスタルジーボマーズ』も評価され、門山大賞の受賞も夢ではなくなってくる。そんな矢先、夏場は初野の余命が残り数が月しかないこと、彼女がすべてを費やし、漫画に臨んでいたことを知る。

 自分の原作に賭けた初野の為にも、必ず大賞を取ると誓う夏場。

そんな折、門山大賞に人気漫画家のあやせが参戦。他の追随をよせつけない圧倒的な『いいね』数を獲得する。

 圧倒的な実力差に絶望する夏場。

 そんな彼に初野は、かつて病弱だった彼女を、夏場の書いた物語が救ってくれたと告げる。

 初野の言葉を胸に、彼女の望んだ物語を書くと決めた夏場。

 そして最後に打ち出した一作。そこに仕込んだ『賭け』。全世界を対象にしたセリフの無い漫画で世界中からの『いいね』を掴み、二人はあやせに勝利する。

 そして巡ってきた四月。

 桜の季節に、夏場はもういない少女に思いを馳せるのだった。

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サクラコミック・ハッピーエンド @XXXsyousetu

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