第10話 え!?

もう前のから1週間か。1週間ってこんなに早かったっけ。鉱石病が発覚してから既に1ヶ月以上。僕が大の苦手な照りつける様な暑さも大分マシになってきた。窓から外を見ていてもそこまで苦にならない。ふと大和の家の方に目を向けると大和が視界に入った。大和はどこからどう見ても大型犬ぽい雰囲気がある。しかもゴールデンレトリバーとかラブラドールとかではなく秋田犬とか柴犬とかの日本犬。そんな事を考えていたら耳としっぽまで見えてきそうだ。チャイムが鳴る前に玄関に向かう。



「大和〜! 」


「うおっ 」


ドアを開けて急に抱きついてもちゃんと受け止めてくれた。勿論受け止めてくれると分かっていたからやった事だが。


「とりあえず中に入っていいか? 流石にここじゃ...」


「分かってるよ〜」


普段は大雑把なくせにきっちり靴を揃えている。大和ってなんて言うかちっちゃい子みたいな所がある。大人でも靴は揃えるけどここまでピッタリ揃える人って中々居ないだろう。それにこの前だってキスって言うのさえ恥ずかしそうだったし。見かけによらずピュアなんだなぁ。そう思いつつ部屋まで行くと視界が変わっていた。どういう事か全く理解が追いついていない。


「あの〜 大和? 」


「ごめん 何かもう我慢できねぇ」


どういう事?、その言葉を言おうとしたのに言えなかった。と言うより大和が言わせてくれなかった。この前みたいにこのまま食べられてしまうんじゃないかと思ってしまう様なかぶりつくキスをしてきた。まともに息すら出来ない。時々大和が角度を変える時に少しだけ出来るけど殆ど出来ていないに等しい。酸欠気味なのか頭がふわふわしてきた。そのせいで甘ったるい声が漏れているような気もする。


「んんっ... 」


「はぁっ... 舌入れるぞ」


口の中にぬるりと舌が入ってくる。さっきまでのキスでも相当気持ちいいのにディープキスなんてされたらたまらない。口の中で舌を絡められる。今までにこんな事した事もされたこともない。ゆっくりと大和が離れてどちらの物か分からない銀の糸を舌で切った。


「んぅ... はぁ... やまとぉ」


「ん? どうしたそんな顔して」


「......気持ち良かったからもう1回して?」


「食ってからな」


ゴソゴソと服の中に手を入れて一つだけ鉱石を取る。口の中に放り込むとすぐにガリガリと噛み砕いてしまう。傍から見たら飴でも噛んでいるように見えるのだろうが僕から見たら捕食にしか見えない。体の一部とも言える物を食べられているのだからある意味そうなのだろうが。噛んだ物を飲み込んだかと思ったら矯正な顔が近付いてくる。さっきとは違う軽いキスだったけどそれだけで頭がふわふわしてきた。そして大和が離れてすぐに意識をふっと手放した。











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