第14話 回想1 いいえ、海藻ではございません
俺は高校に入学した。
「西中出身、田中太郎、ただの人間には興味ありません。この中に俺のような神、俺のような超能力者、俺のような文武両道がいたら俺のところに来なさい、以上」
そんな自己紹介をしたら誰も近寄らなくなることぐらい、俺でもわかっていた。
でも、俺は思いたかった。
自分が特別だと。
そんな中、クラスの奴らは積極的に話しかけてくれた。
俺も最初は喜んだ。
だが、それもぬか喜びだった。
彼らと話せば話すほど、俺は自分がこんなものでいいかと思ってしまう。
彼らのやさしさに溺れてしまう。
気づけば俺は、どこにでもいる一人の高校生になってしまった。
それに気づいたとき、そのままでもいいやと思う俺と警鐘を鳴らす俺とがせめぎあっていた。
結局、俺は平凡に埋もれることを恐れて人とは違う自分を演じることにした。
かと言って俺は、今までよくしてくれたクラスメイト達を拒絶するような勇気など持ち合わせていなかった。
だから、恥ずかしかったが俺の魂胆を説明した。
その結果、彼らは俺の領域を守ってくれたのだ。
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