第14話同棲、妊娠

毎日雲の上を歩いている感じ。

幸せで、幸せで。

ご飯が美味しい。

パソコンで、何かをしている姿をボート見ている。

本当に大好きで。

正直、今思えば父に重ねていたのかも?

パソコンに向かっている彼に無意識に

「将来貴方のきつねうどんになる」

お嫁さんと言いたかったけど、間違えた

彼は大爆笑

そのまま頭を撫ぜてくれる

優しい

父性だよなー。

好き。

毎日好きになる。

私は親から料理を教えて貰った事がない。

テレビと本から。

彼に作る度に幸せになる。

「将来俺のきつねうどんになろうなー」

激甘だと思う。

ただ、気になるのは生理が遅れていること。

それ以外の心配は無い。

明日定休日だから、検査しに行こう。

この前、夜中に凄い激痛でお腹から変なの出たし。なんか、怖いから、土に埋めたけど。

妊娠なんか、してないよね。

とりあえず、寝よう。

彼氏の枕でぐっすり寝る。

次の日、地元の産婦人科に検査しに行く。

3時間位かな?待たされて、診察台に乗って検査する。

女医さんが、言葉を躊躇いながら

「完全流産ですね」

えっ?

はっ?

なんて?

じゃ土に埋めたのは赤ちゃん?

うそ?

花がいっぱいの所だけど。

頭回らない。

看護師さんが、労りの顔で。

「残念だったね。また、お腹に戻ってくるよ」

注射して帰る。

涙も出ない。

彼氏に相談しよう。

今日は、なすの揚げ浸しみぞれ煮

冷たいお蕎麦に、鴨南蛮の暖かいつゆ、普通のつゆ。

好物を並べて、帰ってきたらコーンとベビーホタテのかき揚げ。冷凍庫の残り物。

彼氏が帰ってきて、そのままシャワーを浴びに行く。

その間に、かき揚げを揚げる。

タレは麺つゆ。

ビールと、冷やしていたグラスをだして注ぐ。

「おっ、今日俺の好物!ありがとう」

「良かった。あのね、私妊娠して流産してたみたい」

だから、結婚してとかじゃなくて手を合して欲しかっただけ。

「俺の子じゃない」

何も言えなかった。

それでも、好きで。

また、作り笑いの上手な私が嘘をつく。

「冗談だよ、かき揚げも温かいうちに食べて」

上手く笑えたかな?

私は大丈夫。

食べ終わったお皿を洗いながら。

少し泣きそうに鳴りながらも、好きになった私が悪い。

今度の休みお花を供えよう。

彼が仕事で、私が休みの日に机の引き出しを見たら、不倫していたみたいでお別れの手紙と、違う女性?

私入れて四股?

過去だからいいか。

あまり興味がない。それより花束を買いに行こう。近所の花屋さんで、白とピンクをベースなした花束を作って貰い、うろ覚えながら花束を公園の隅に置く。

不思議と涙も出ない。

実感が無い。

心がないのかな?

浮気とか、どうでもいい。

もう少し甘えたら、別れよう。

1人は寂しい。

私が本命だろうけど、私は私だけを必要としてくれる存在が必要。

動物と暮らそう。

彼が帰ってくる前に、蓮根をすりおろしエビを荒く刻んだものと、大葉を片栗粉少しと卵黄を繋ぎで纏めて丸めて揚げる。

しょうがベースの出汁に海老しんじょうをいれる。それに、枝豆、銀ダラ、焼きネギと薄揚げの味噌汁と、ご飯。

「ねぇ、猫飼いたい」

「俺、猫の鳴き声が赤ちゃんの泣き声に聞こえて嫌なんだ」

「じゃ、一生私に会わないのと猫どっち選ぶ?」

頭を悩ませる彼

そして、魂の抜けた声で

「分かった」

良かった。人生もう一度考えよう

私にはこの人が運命だけど、この人にとっては違うみたいだから。

お願い、もう少し甘やかして。

心が凍えそうなの。

今も寂しい。

私は同時に何人も愛せない。

「ねぇ、私何番目?手紙と写真見ちゃった。引き出しに入っていたから。」

「今はお前だけ」

今はか。私は諦めない。

死ぬ瞬間に、幸せだったって人生を送る。障害物があってもいい。

私に必要なのは、今は人間じゃない。

明日ペットショップに行ってみよう。

もう疲れた。

そのまま寝る。

次の日、ペットショップに行く。ゲージの中は、牢屋に私は見えた。

血統書の子は1部屋貰えるが、雑種は子猫が4匹狭そうにしていた。

私は無意識に、2匹引き出しペット関連揃えて1匹は実家に渡し、避妊の手術代のカンパとして1万渡す。

私はオスのキジトラに名前をつけて、溺愛する。お風呂も一緒に入り寝るのも一緒。

心に栄養が溢れるのが、分かる。

彼に対する気持ちも余裕が出来たと思ったら、妊娠していた。

彼に話すと、まだ私は子供だから堕胎した方がいいと。信じられなかった。

でも、堕胎はしない。

彼の両親が会いに来てくれて、結婚する事になった。不思議と、嬉しいという感情は無い。子供が欲しく無いなら、しなければいいし、避妊したらいい。病院で調べたら、2ヶ月

安定期に入ったら結婚式。

なんか流されてる感じ。

最近彼の帰りも遅いし。

籍だけはもう入れたけど。

ふと、夜中に目が覚めて私はその時妊娠5ヶ月

旦那の財布が気になって、見てみるて旦那の子供を堕胎した事が書いてある。

そして、花嫁衣装

ダブル不倫

ショックのあまりにお腹に激しい痛みが走る。股から血が流れてくる。

あー死にたい。

猫が心配してそばに寄り添ってくれる。

涙も出ない。

旦那を見たら、無意識に回し蹴りをしてた。

旦那は無意識にお腹を蹴った。

激痛で、脂汗が止まらない。

猫を抱きしめながら、119に電話する。

残念ながら、流産。

心が壊れて、それでも猫はいてくれて。

「人殺し」

旦那に言った。

「ごめん」

「別れよう」

私から言ったのに涙が止まらない。

ああ

好きだったんだ

裏切られても

医者には不育症の疑いもあるって

人生何か意味がある

彼に出会い、父性を教えて貰った

悪いことだけじゃない

下半身が好奇心旺盛なだけ

私には

やっぱり

彼が運命の人だと思う

だけど、心がもたない

最後に、お寿司を食べた

葬式みたいでしょ?

もちろん2人分の慰謝料は彼から貰った

私には頼りになる猫と暮らす。親とは暮らさない。地元にも帰らなかった。

私の人生って、ジェットコースター

幸せなのは、運命の猫に出会えた事



振り返れば、幸せな4年と不幸な4年

だけど、無償の愛をくれる猫にあったのはプラスかな?

幸せですか?

と聞かれたら、少し考えて幸せだと。

沢山の思い出は幸せで、産まれる事は出来なかったけど、愛を体に収めた。

産まれなかったけどね。

人の痛みも分かるようになって。

ちょっと自暴自棄にもなったけど。

幸せの裏には不幸があると

私の理解

幸せです。

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