第318話 勘違いと間違い
風呂上がりの出来事を思い出させてくれたのは、キーコの記憶力だった。
なるほど、確かに【
まさか俺の遣いだなんて、バカな俺が気付く訳がないだろう。
じゃあ何か? 俺が生きている限り、苺の寿命は尽きないのか? 慌てる必要は無かったのか?
桃代が苺の事で急に淡泊になったのは、これに気付いたからなのか?
それなら、なんで俺に教えてくれないんだよ・・・マズいぞ、苺の目から感情が消えた。
まるでヘビの目だ・・・ヘビだけど。
「それでは、紋次郎さんの誤解が
「え~っと、えっと、あの~~オイラには自由に生きる権利があると思うのですが、その
「そういう事を言ってる訳ではありません。どうぞ、紋次郎さんは自由に生きてください。ただ、あなたは無鉄砲すぎます。桃代さんが過保護になる理由がよ~く分かりました」
「だって・・・だって、仕方がないだろう。
「はぁ?
「あのね苺、龍神様が言うには、森で行方不明になった時にあなたに取り憑いたの。その
「ちょ、ちょっと桃代さん。
「いいのよ、
「そうなの? じゃあ、その桃代さんの仮説を聞かせてくれる。苺、おまえは桃代の話を聞いてから、俺に文句を言え」
「もちろんです。桃代さん言う通り、わたくしに
「それでは、わたくし桃代の仮説を発表します・・・ドンドンパフパフ・・・・・。あれ、拍手がないよ。忙しいわたしが裏取りまでした仮説なんだよ」
「いいから、さっさと話せ。それとネタをぶち込むなよ。おまえは真面目な話の時に必ずネタを挟んで、わやくちゃにするからな」
「すみません桃代さん、それから紋次郎君、その前にちょっと良いですか? わたしと桜子さんは何の話をしているのか、さっぱり分かりません。お願いですから、ここまでの大筋を説明してください」
「あっ、ごめんねユリ。でも聞いていればわかるよ。まず、あの森の祟りの件なんだけど、あれは
「へっ? だって【祟りの原因は
「あのね紋ちゃん、そうとも言えないの。
「そうなの? ごめん龍神。おまえもたまには役に立つんだな」
「なんじゃい、その言い方は、紋ちゃんを
「はいはい、ボケ防止のために、明日はサンマの塩焼きにしてあげるから、紋ちゃんも龍神様もつまらない言い争いをしないの。じゃあ、続けるね。キーコが最初に森で感じた悪意のある嫌なモノ、あれは殺意。祀られない
「はい、そうです、あの
「それで龍神様が勘違いをした理由。以前の
「なんで?
「それもね、
「なるほどな、神である
「あのな~紋次郎。一匹って、そげな言い方は無いじゃろう。今のワシは龍神様じゃけぇ、
「
「それでね、
「そういう事じゃ、
「ちょっと待て。【祟りが始まった時期は、
「ほら、そこは龍神様も長く生きてるからね、記憶違いや見立て違いもあるわよ。そうですよね龍神様」
「ま、まあのう、
「わかったから、言い訳くさい事を言うな。ちなみに
「別に怖くないわよ。この家のまわりだって夜になれば同じような感じだし、頼りになる用心棒の龍神様とキーコが居たからね。ただ、念の為に龍神様と相談をして、
「きゅ、まさか、あの
んっ・・・桃代のヤツ、なんでクルミに話を振るんだ?
んっ・・・クルミの言う、みっちゃんって誰だ?
てか、クルミは自分の正体に気が付いたのか?
俺が入院している
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