第101話 禊
龍神のヤロウ、何か呪いの
そうでなければ、コイツが俺を襲う
俺は桃香を傷つけないようにヤツの体当たりをかわしながら、龍神に怒鳴り付けた。
「龍神、おまえはバカ野郎かッ? 神様のくせに悪人の命令を聞くんじゃねぇ!」
「そげな事を言われても、ワシの意志じゃないんで、ワシは
「ギ~ゲゲゲ、わしは逆鱗が無くても
「おい、龍神! その術に心当たりはないかッ。何か
「そげな事を言われても、ワシはその術ちゅうもんがよう分からんし・・・でも何か糸に5円玉をぶら下げて、目の前でブラブラされた事があったのう」
「・・・ド
「た、助けてくれ~ッ、ワシが紋ちゃんを喰おうとしとる! 誰かワシを
俺は龍神の攻撃をかわしながら、
しかも、風が
龍神は術に
春之助らしきゲロゲロは、少しずつ近づいてくる。
う~ん、紋次郎絶体絶命!
どうする? 崖から飛び降りるか? ダメだ、それをすれば絶対に死ぬ。
ゲロゲロを蹴り飛ばして、活路を見出す・・・それしかない気がする。
でも、俺の足は何も感覚がない・・・そんな気もする。
そんな、無茶な行動をしようとする俺に対し、意外な救世主がやって来た。
「紋次郎、何をやっておる。お
「えっ? あまちゃんさん? えっ! どういう事なの? あなたはいったい何者ですか?」
あまちゃんは俺の問い掛けに答えない。
手を前に出し何かを
すると、俺のまわりから黒い
「紋ちゃんお
「へっ? はい、わかりました」
俺は自分の足より桃香の方が心配だったので、何も考えずに急いであまちゃんの
しかし、中に入ろうと玄関を
「紋ちゃんお
俺は背中から桃香を降ろし、迎えに出て来た桜子に寝かせてやるように頼む。
桃香は目を閉じたまま、意識があるのかわからない。
そもそも
そこにバケツが宙に浮き滝の方からやって来た。
絶対に桃代だ。
アイツが例の包帯を全身に巻き、姿を消しているのに違いない。
そのうしろには、あまちゃんの従者も二人いて、バケツを手にしてやって来る。
バケツには、水がなみなみ入っているように見える。
桃代はそのまま宙に浮き、俺の頭の上から水をぶっかける。
自分の水をかけ終わると、更に従者からバケツを受け取りそれも順番にぶっかける。
なにコレ? どうして俺は水をかけられてるの? これが
「いッ、痛~~! 痛い、痛い! 桃代、おまえは何をかけた!」
「何って、川から汲んで来たお水だよ。それより紋ちゃん! また無茶をしたんでしょう! そんなに怪我をして」
「モモよ、言うてやるな。こやつは、なかなか頑張っておったぞ。馬鹿じゃったけどな」
「紋ちゃんはお礼を言いなさい。てんちゃんが助けてくれなかったら大変な事になっていたわよ」
「あ、そうな、あまちゃんさん、どうもありがとうございました。それでは
「
あまちゃんが何か言っているようだが、俺は桃香が心配だったので、あとは桃代に任せて中に入る。
桜子に桃香が
しかし、血だらけで濡れたシャツと焼け焦げたようなデニムを桜子に指摘され、着替える為に先に脱衣所へ行かされた。
そこで、初めて
痛みを
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