第2話 and batard

アッと言う間に、鍋の中の塊が溶ける。


計量カップに水を入れて、鍋に注ぎ足す。

鍋の中が一度静まる。


その間に、バタールを取り出して、まな板の上に置く。

小さなナイフで、やや薄めにスライスする。

三枚スライスすると、バタールの残りをしまう。


スライスしたものをオーヴンに入れる。

軽く温める程度の時間を、タイマーにセットする。


鍋のトマトスープがクツクツと音をたて、あたりにいい香を立ち上らせる。

塩を足して、乾燥バジルを一つまみほど散らす。

ひと混ぜして味をみる。


「うん、おいしっ」

思わず口を衝く。

完全に沸騰してしまう前に火をとめる。


オーヴンに向かうと、残り時間を確認して、扉を開ける。

注意して、指先でスライスしたバタールをひっくり返す。

もう一度扉を閉める。


そのまま待つ間、スープカップを用意する。

棚からランチョンマットを取り出すと、リヴィングに移動する。


ソファの前のテーブルに、ランチョンマットを敷いておく。

オーヴンのタイマーが鳴る。


オーヴンの蓋を開ける。

酸度表示のあるExtra-virgin-oilを、直接、温まったバタールに振りかける。

そうしておいて、もう一度、オーヴンの扉を閉じる。

余熱だけで、バタールにしみるoilを少し温める。


ホーロー鍋から、スープカップにトマトスープをよそう。

スープカップをソーサーと一緒に持って、リヴィングのテーブルに置く。


棚から皿を出して、オーヴンの扉を開ける。

バタールを取り出して、皿に並べる。

皿を持ってリヴィングのソファに腰かける。

バタールの皿をスープの横に置く。


トマトスープとバタール、遅いブランチの出来上がり。

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ブランチ ビショップ(bishop) @toughandgentle16

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