第4話 調査

異世界に来て始めてゴブリンを殺した。




後悔はしていない。


だが決して後味の良いもんじゃない。


それがたとえこちらを襲ってきた相手であろうと。






そんな僕が今、何をしているかというと、




「本来、頭殴られた時点でこの身体じゃなきゃ終わってたんだぞ」




「無理に戦わなくても一度引いて投石でもよかっただろ」




ただいま絶賛反省会である。


といっても一人でブツブツ言ってるだけだが。




「そもそも水辺で騒ぐやつがあるかよ。誰か来たって...んん、そもそもゴブリンは何処から来たんだ?」




森の中から現れたのは分かっている。


ちょっと調べてみようか。もしかしたら何か分かるかもしれない。




死体に近づき全身をよくみてみる。


頭部はなくなっている。やったのは僕なのでここはいいだろう。




胴体に注目する。着ているものはボロ布地で身体に引っ掛かってるだけといった感じだ。


また、血で所々汚れている。


そういえば初めて現れた時から血がついていたな。




「もしかしてどっかに血の跡が残っているかも?」




可能性を感じ、ゴブリンが来た付近の地面や枝を確認してみる。


そうすると僅かに地面や枝についている血痕を発見した。


さわってみるがまだ乾いていない。今なら追えるはずだ。




僕の選択肢としてはこの血痕を追って行くか水辺から離れるかだ。




このまま行く場合、戦闘の可能性を否定できない。


今回、倒せたのは身体の頑強さに助けられただけだ。頭への一撃が効いてたら終わっていた。


もし、この身体でもダメージを受けるような相手がいたら危ない。




水辺から離れた場合、戦闘の可能性は低くなるがせっかくの拠点を見捨てなければならない。。






さてどうしよう?




少し悩んだ末、血痕を追うことにした。


やっぱりこの先に何があるのか気になる。




戦闘を考えて投石用の石を何個かローブに突っ込むと血痕を追う。


所詮、素人なので薄暗い森の中での探索は困難だったがこの身体のおかげかどうにか血痕を見つけて行く。






暫く進んでいくと音が聞こえた。


水が流れるとか枝が揺れるような音じゃない。


明らかに誰かが生活しているような音だ




緊張しながら音がする方に進んで行く。




そうすると森の少し開けた場所にでる。


思わず顔を出しそうになるが寸での所で藪の中に身を隠した。




見つけてしまったのだ。緑の肌、黄色の眼光のあいつを。








たどり着いたのはゴブリンの拠点だった。

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