第11話 『街を探索』



 私とアベルはすぐに帰るのではなく、少し街を探索していくことにした。




 街には魔王や勇者の装備をつけた人々がゴロゴロいる。

 この街の人たちが世界征服を始めたら一瞬で世界が滅びそうだ。




 しかし、一体このこの子の家系はどうなっているのだろうか。勇者に魔王、伝説級の武器を売る店主。只者じゃない。




「師匠! ちょっとお腹空きませんか?」




「ん、まぁ、そうね」




 アベルは街にあるハンバーガー屋を指さす。




「行きましょう!」




 まぁ、時間的にも昼ごはんでちょうど良いだろう。

 私はアベルを連れてハンバーガー屋に入る。

 店は満席であるが、列を成して並んでいるわけではない。少し待てばすぐに食べられるはずだ。




 店の奥から店員が現れる。




「いらっしゃ……い…………ませ」




 しかし、店員は私の顔を見て動きを止める。




 店員の姿は頭の二本のツノが特徴的で黒い羽を生やした悪魔。




「あなたは……!?」




 私と同く魔王軍の幹部であった元四天王。大悪魔のベリアルだ。




「なんであなたが……?」




 四天王をやっていた頃は黒いタキシードを着こなしていた。しかし、今ではハンバーガー屋の制服を着こなす店員になっている。




「み、見ないでくれ!! 俺を見るなー!」




 ベリアルは恥ずかしそうに顔を隠す。

 今の姿を見せるのがよっぽど恥ずかしいようだ。




 私は悪い顔になっているだろう。だってそう、こいつをいじめてやろうと考えているのだから。




 ベリアルは四天王会議の時にいつも私に正論をぶつけてきた奴だ。私が提案した作戦は全てこいつが却下した。

 まぁ、大落とし穴作戦とか、大好物で誘き寄せ作戦とか。子供っぽい作戦ではあった。でも、やってみなければ通用するか分からないだろ!




 ふふふ、仕返しをしてやる。




 私の復讐劇が始まった。




【後書き】


 四天王さん。

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