第10話 『魔王グッツ店』
街について私たちは、早速魔王様に紹介された店にやってきた。
「ここが……魔王グッツの店……?」
そこは街の街道にある古びたお店。木造造で窓は少なく、中は埃っぽい。
魔王様の紹介していた店だから、もっと立派な店を想像していた。
「ごめんください」
二人は店の扉を開けて入ると、入り口の鈴が鳴る。
それと同時に奥から店主が現れた。
体格のがっちりした男性。頭のてっぺんが薄くなっており、太い腕をしているが顔は老人だ。
「あ、お爺ちゃん!」
「アベルか」
店主を見た途端。アベルが嬉しそうに駆け寄った。
…………って、お爺ちゃん!?
また、やばいことを知ってしまった気がする。
「あ、あの〜、今お爺ちゃんって……」
「ああ、アベルはわしの孫だ」
ええええええええーーー!!!!
今度はお爺ちゃんが出てきたー!!
アベルは嬉しそうに店の中を見ながら言う。
「お爺ちゃんが魔王グッツ売っての?」
「ん、ああ、マオの奴から聞いたのか」
魔王様……マオが本名だったの!?
店主は並べられたものの中から一つ黒い大剣を手にする。
「これが魔王の剣じゃよ」
普通に売ってた!! しかも何本も並んでる!!
私の目から見てもこれは本当に強大な力を持つ剣だ。偽物ではない。それがいくつも並んでいる。
「あと、勇者の剣もあるよ」
店主はその横に並べられた黄金に輝く剣も見せてきた。
この店ヤバ!!
「勇者の剣はいいや。お父さんのお古みたいだし」
お前はお前で、どんな印象を勇者の称号に持ってるんだよ!
そうか、じゃあ、適当に魔王グッツを揃えてやろう。
こうしてアベルは魔王のフル装備を手に入れた。
【後書き】
家族大集合
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