第6話 『元魔王訪問』




「ま、魔王様!?」




 私は急いで支度して、外に出る。

 外には黒いマントを羽織り、日本のツノを生やした長身の男が立っている。




「おひさー!」




「ノリ軽!!」




 とは言っても、サングラスをかけて、真っ黒に日焼けしている。手には紙袋を持っていて、




「ど、どうしたんですか? 魔王様?」




「いや〜、オレ“元“魔王だから。引退したから!魔王と呼ぶのやめてくんない!」




「え、はぁ、なんと呼べば?」




「じゃあ、マオでいいや」




 いや、ほとんど変わってないじゃん!!




 私が心の中でツッコんでいると、元魔王であるマオは紙袋を私に渡す。




「なんですかこれ?」




「お土産。海行ってきたから」




 なんで遊びに行ってるんだよ! あなたは倒された身だろ!!




 再び私がツッコんでいると、掃除をしていたアベルがやってきた。

 それを見たマオは懐かしい顔で言う。




「あ、アベル君。ここに居たんだ〜」




「あー! 魔王さん!! お久しぶりです!!」




 ……………………え、えええええええ!! 知り合い!?




 そして親しげに話し始める二人。私は状況についていけず、一人混乱している。




「そ、その〜、お二人は知り合いなんですか?」




「はい。魔王さんは僕の叔父です」




 ………………んんんんんんん!?




「え、はい!?」




 それはつまり。魔王様は勇者と血縁関係……。




「どーいうことじゃー!! そりゃーー!!」





【後書き】


 魔王と勇者と魔王になりたい勇者の息子は血縁関係!?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る