第41話 いい天使だ

「さて、こんなもんですかね…、だいぶ頂いてしまいました」


 ガブちゃん満足なようだ、よかったね。

「小杉さん…、本当に拒否ですね。あと他に何かありますか?せっかくですからご質問はありませんか…」


「拒否するよ…。他にって言っても…うん…?」


まだなにか“推測”したこと隠している感じだ…、なんだろう?


「拒否ですね、やっぱり小杉さんいい人です。なので僕はほっとしているんです。うれしいです…」

 会話が途切れた…。思えばずいぶんと話こんでいる。ビールはもういいのかな?

 ガブちゃん、言いたいことがあるなら言えばいいのに…


「もういいよ、ありがとう…」

 伝票をとって僕は荷物をまとめた。ガブちゃんも立ち上がった。

「本当にお金は持っていないです…」


「いいよ大丈夫、お互いけっこう飲んだね…うん、けっこういったね…」

 それなりの金額だ、多くはないけれど。ガブちゃんすまなそうな顔をしている。


「そうですか…、すいません」

「いいさ…、いいよ、大丈夫。それよりもうちょっと、歩きながら話したいな…。ガブちゃん、この前みたいに倒れてあぶないことになるとまずいしね」


「はい、すいません…、飲み過ぎましたよね、天使こと、ガブちゃん…」

 僕は恐縮するガブちゃんにできるだけ優しく笑いかけた。

 やっぱりガブちゃん、いい天使だよ。


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