第2話 夏の終わり

「夏の終わり」


どんな色かを聞かれたら

たぶん青だというでしょう

夏の終わりの海の色

どんなものより色あせて


どんな音かを聞かれたら

たぶん雨だというでしょう

夏の終わりの雨の音

どんなことより寂しくて


あれほどの夏でさえ

燃えつきて消えて行く

まるでそう

ひとの心の絵のようだ


たそがれの空の切れ間のあかね雲

夏の終わりのことでしょう


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