70作品を読んで
作品を読んで
本を読めなくなってはじめた荒療治のごとく、『カクヨム甲子園2021:ショートストーリー部門』の作品と合わせて、『カクヨム甲子園2021:ロングストーリー部門』を読ませていただきました。
はじめるに当たり、応募総数の一割は読もうと決めていました。
読んで感想を書きはじめた時は、応募作品数は三百作品ほどでした。
なので、三十作品くらいなら楽に読めるかなと思っていると、日に日に増えていき締切日をむかえたときには六百六十八作品となっていました。
六十六作品で終えようと思ったのですけれども、六が並ぶのはどうなのかしらんと気にして、七十作品読ませてもらい、感想を書きました。
おかげさまで随分と読めるようになりました。
と、同時にかなりの疲労感をおぼえました。
読書に関してはそれほど労することはなかったのですけれども、感想を書くためにはやはり、作家さんが血反吐を吐くほどの情熱と熱意を込めて綴った作品に対して、同等のものが読む側に求められている気がしまして。
片意地はらずに気楽に読むことを楽しみたいのが本音なのですけれども、感想を書くとなると、なかなかどうしてそういうわけにはいきません。
世の読み専の方々は凄いな、とこっそり思います。
応募要項のロングストーリー部門には、六千文字以上二万文字以下の作品を募集とあります。完結済みで要項に準じた作品をなるべく人気順に読んでいきました。
二万字は、四百字詰め原稿用紙換算にすると、五十枚です。
ショートストーリー部門は、四千文字以下の作品です。
四百字詰め原稿用紙換算にすると、十枚です。
なので、ショートストーリー部門の文量の四倍以上、起承転結で書くことでロングストーリーに応募できる要項を満たすわけです。
一般的に短編小説は四百字詰め原稿用紙で百枚くらい。長編小説は三百から四百枚くらい。文字数になおせば、短編小説が四万文字、長編小説が十二万から十六万文字です。
内容も、短編小説は人生の一部を切り取り主題を明確に打ち出すものが多く、長編小説では登場人物の性格や出来事、時間的、空間的場面が複雑に入り組んで展開されるといった違いがあるようです。
ロングストーリー部門の文量の四~六倍、多くて八倍書けば、一般の長編小説応募の要項を満たします。
つまり運営側としては、カクヨム甲子園を行うことで、より良い作品、面白い良作である長編小説が生み出されていくための機会を与えようと催されているのではないかしらん。
応募総数六百六十八作品の内、【人気順】を参考にして、応募作品の一割である七十作品を読んできました。
感じたのは、小説の書き方を把握した上で組み立てて、面白い話を書かれているということです。
カクヨム甲子園のロングストーリー部門は、枚数からしても一般の短編小説よりも少ないですけれどもショートストーリーにくらべれば遥かに長いおかげか、内容はバラエティーに飛んでおり、現代ドラマにラブコメ、推理モノやSF、ファンタジー、などにミステリー要素が含まれ、読み手を意識した作品が多かったです。
ちょっとした謎、不思議さ、どんでん返しなどが盛り込まれている作品が多くみられたのが特徴といえるでしょう。
素直に「高校生すごい」って思います。
荒削りなところもあるけれど、そういうところも含めて作家の個性と作品に味を出しています。発想や着眼点は既出にみられたとしても、それを見つけて独自の切り口で書き切っているところが感心するのです。
ショートストーリー、ロングストーリー、どちらにも言えることですが、文章の書き方が整っていなくても書きたいことを書ききった作品は面白く、実に興味深い傾向がありました。
音声合成によって読み上げせる『棒読みちゃん』ソフトを使って聞き読みで一読するので、文章の最初をひとマス開けるとか疑問符感嘆符のあとのひとマスあけとか、三点リーダーとかダッシュなどの使い方は正直、気にならなかったです。
二度目以降で読むときは黙読しますので、そのときになって「こうなってるのね」としみじみ思うだけです。
ですけれども、わかりにくい文章や誤字脱字等は気になるので、書き終わったら少なくとも一度は音読して、おかしなところはないか、気になるところはないか確かめてほしいと思いました。いい出来である作品であればあるほど、つい思ってしまいます。
ショートストーリーは百作品、ロングストーリーは七十作品、それぞれ一割ほど読めば応募作全体の傾向が見えてくると思いました。
読んだ感想としては、出来のいい作品が多いということです。手直しするともっと良くなる気もします。しのぎを削ってより高めている現れなのでしょう。
まだまだ、面白い作品がいっぱいありそうな気がします。
とはいえ、いささか疲労を覚えました。
なので、作品を読んで感想を書くのを一旦やめようとおもいます。
時間等に余裕ができましたら、おもしろそうなショート、ロングの作品をゆるゆると読んで、ちょこちょこ感想を書くことができたならいいなと考えています。
最終選考対象作品の発表は十一月下旬頃と予定されていますので、そのころに、選考された作品を読もうと考えています。
読めていない作者さんの作品については、申し訳ありません。
たくさん読ませていただきまして、ありがとうございました。
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