第1章 言い伝え~3族同盟
「おおお、ありがてえ」
ブロウがさっそく食べようとしたが、慌ててジェラードが止める
「待ってくれ。呼びたい人がいるんだ。そこで座っといてくれ。」
「お、おう」
また、扉を開け海中に入っていった。
「サモロア、ジェラードはだれを呼びに行ったんだ?」
「たぶん、長老じゃねえかな」
「ブロウ、失礼のないようにな」
「誰に言ってんだ、アルフレード。おれほどマナーにうるさいやつなんていねえよ」
「だといいが。あと、サモロア聞きたい事があるんだが。」
「ん?なんだ?」
「俺らが来るのをジェラードは知ってたがお前は知らなかったのか?」
「あー。なんか聞いたことがあるようなないようなー。」
「なんだ、ただの度忘れか」
「たぶんな。あんまり興味なかったしなー」
「まじかよ。」
「まあよくわかんねえのに攻撃してこようとしてたぐらいだしな」
「たしかに」
ぎいぃ
扉が開く音がした。3人は会話を止め振り返るとジェラードが入ってくる。
扉を抑えつつ誰かを中に導いてきた。
「これはこれは、わざわざここまで来てくれたのか。ありがとう。龍の一族の者よ」
「私の名はジェンキンス。一族の長老を務めている者だ。」
髪は長く後ろで三つ編みに、服はジェラードやサモロアとは違った高貴そうなものを羽織っている。歳はいくつだろうか。一戦は引いているのは確実だろう。しかし、その眼は一切の油断を許さない。
「おれは、ウェイド。こいつらはブロウとアルフレードだ。よろしく。」
「よろしく。そう固くならず、食事でもしながら話そう。」
全員席に着き食べ始める。
「で、君たちは何しにここへ?」
「・・・・3種族の同盟を結ぶためだ。」
ウェイドはあえてシンプルに答えた。
「ふ、率直だな。われわれが、すでに知っている事は話したのか?ジェラードよ」
「はい。詳しくは言っておりませんが」
「そうか。我らは、先祖代々守り続けている石があり、諸君らが来ることそして、その理由。そして、それへの答えが彫られているんだ。」
「先祖代々って・・・・」
「私にもいつから存在しているかはわからん。だが、みな信じているんだ。」
「ていうことは、組んでくれる。ということでいいのか?」
「ああ。諸君らとも森の一族ともな。」
「ありがとう。」
「お互い様だよ。こちらこそありがとう」
「それで、君たちのところでは、‘その日’、なにが起きるかわかるか?」
「その日?」
「なんだそれ?」
「む?君たちのところでは、記されていないのか?」
「はい。」
「おれらは、ただ3つの種族で同盟を組むこと。これが生き残る唯一の手段と」
「ふむ」
ジェンキンスは、少し考え込む。
「そうか。私のところでは同盟を組むこと。そして、その日に向け準備を整えろとな」
「その日?備えろ?」
「ウェイド、聞いたことあるか?」
「いや、一言も聞いたことがないな。」
「なるほど。まあしかたがないか。」
「ウェイド、それでこの後はどうしていくつもりだ?」
「ああ。とりあえず帰って親父とも話すがおそらく3種族で集まることになると思う。」
「そうか。それはいい。お前の父上とも森の一族とも会ってみたいな」
「その時は私とジェラードで行くことになるかの」
「はい。そうしましょう。」
こうして食事を取りつつ会話しているとあっという間に数時間が経過していた。
料理もほとんど無くなったのでジェラードが時間が大丈夫なのか聞いた。
「ウェイド。急いでたみたいだがそろそろ帰ったほうがいいんじゃないか?」
「え、そういえばここに来てどれくらいたった?」
「もう3時間は経っているぞ。」
「おお、まじか」
「ちょっとゆっくりしすぎたな」
「じゃあ、帰るとするか。ジェラード、ジェンキンスさんありがとう。また会おう。」
「もういってしまうのか。しかたないか。また会おう。気を付けての」
ジェンキンスはもう少し話したかったのかちょっと名残惜しそうにそういった。
5人は、再び海中を移動し今度は砂浜まで3人を届けた。
「悪いな、ここまで運んでもらって」
「いいんだ。行きは、泳いできてもらったからな」
「じゃあ、決まり次第またくるよ」
「ああ」
少し話してから、ジェラード・サモロアは海へと帰って行った。そして、3人は帰路へつく。
「いやー、疲れたなー」
「ああ。」
「気がかりなのは、何が起こるのかってことだな」
「ま、そのための同盟だろ?なんとかなんだろ」
「そうだといいんだけどな」
森の一族 主な戦力
ダンカーク、ランクラッセ、サントレーナー、オルガ、グラン
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