第62話

「まぁ嬉しい! それなら他の傘に取られることもないし、安心ね!」



傘はそう言うと、片足でピョンピョンと飛び跳ねながら帰って行ったのだった。



「昨日からなんなんだろうな」



僕はそう呟き、家の中へと入っていた。



カエルはテレビを付けっぱなしで眠っていた。



その姿は人間のオッサンに良く似ていて、2人して笑う。



それと同時に、カエルが目を開けた。



「なんだ、起きてたのか」



僕はカエルを見てそう言った。



「あぁ」



「狸寝入りだったのか」



本が聞く。



「そうだ。面白いって、こういうことだろ?」



カエルが言う。



僕と本は目を見交わせた。



そして同時に「そうだな」と、答えたのだった。



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