第52話
「キラキラ光る雨?」
僕は首を傾げた。
「それは勘違いだろう。そんなもの、俺の家には置いてない」
「あらそうなの? 残念ね……」
傘はそう言うと、肩を落として帰って行ってしまった。
僕はその後ろ姿を見送ってからカエルを見た。
「キラキラ光る雨ってなに?」
「正確には雨に似た形のなにか、だな。傘の中には雨に執着しすぎる物がいて、雨が降っていない日でもああして雨を探しているんだ」
「そうなんだ……」
「ここにも時々あんな連中が来る。気にする必要はない」
そう言えば雨が降っていた日は傘たちが勝手に庭まで入り込んできて遊んでいたっけ。
その光景を思い出し、僕は納得したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます