第52話

「キラキラ光る雨?」



僕は首を傾げた。



「それは勘違いだろう。そんなもの、俺の家には置いてない」



「あらそうなの? 残念ね……」



傘はそう言うと、肩を落として帰って行ってしまった。



僕はその後ろ姿を見送ってからカエルを見た。



「キラキラ光る雨ってなに?」



「正確には雨に似た形のなにか、だな。傘の中には雨に執着しすぎる物がいて、雨が降っていない日でもああして雨を探しているんだ」



「そうなんだ……」



「ここにも時々あんな連中が来る。気にする必要はない」



そう言えば雨が降っていた日は傘たちが勝手に庭まで入り込んできて遊んでいたっけ。



その光景を思い出し、僕は納得したのだった。

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