第24話

「俺たちは魂だ。だから物は食べない。だけど、食べると言う行為はできるし、味覚もある」



「さっき、お茶を飲んでたよね」



僕はカエルが熱いお茶に四苦八苦している所を思い出していた。



「あぁ。食べた物はちゃんと排泄されるしな。だけど無理に食べたり飲んだり眠ったりする必要はない。だから人間のように物を売買する必要もない」



「結構楽な町だね」



物を買わなくていいなら、お金だっていらない。



お金がいらないなら、働く必要がないのだ。



それならきっと勉強をする必要だってないはずだ。



僕の憧れていた世界だ。



「この町は僕の理想を具現化したものじゃないよね?」



そう聞いてみるとカエルは首を傾げ「何を言ってるんだ?」と、とても不思議そうな顔で聞いて来た。



僕は肩をすくめて「なんでもない」と、返事をしたのだった。

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