第2話 嫉妬する親友が可愛すぎる

私の親友は可愛すぎる。

ところで私はその親友と今離れている。なぜならクラスが離れてしまったからだ。


離れた途端、私はとても心細くなる。


「本当にあかりがいなきゃだめだなぁ」


小さくつぶやきながら、私は席についた。

もちろん、あかりの他に仲のいい人なんていない。中学ではずっと同じクラスだったから、私は友達ができたことがない。


「あれ、晴宮?」


「…?」


「ちょっとちょっと覚えてないの?あたし、中学の時の同級生。瀬戸内桜だよ?」


突然声をかけてきた瀬戸内と名乗る少女。でも申し訳ないが私は彼女を覚えてなかった。


「だれ?」


「ったく、部活も一緒だったのに…」


「瀬戸内って、せとっちのこと!?」


ようやく気がついた私は彼女と打ち解けることができ、高校ボッチ生活を送らなくて済むようになった。

ちなみに私はあかりといる時はあかりしか見えていないため、他の人のことを覚えていることは滅多にない。

まあ、せとっちはキャラも濃かったし、奇跡的に覚えていたと言う感じだ。


しかし…


「あかり!私ね、せとっちと同じクラスになって…」


あかりを迎えにいくとどう考えても様子がおかしいことに気づく。


「随分楽しそうじゃん。」


「うん、まあ。」


やばいやばいどうしよう。あかり私がせとっちと仲良くなったことに嫉妬してる???

いや、かわよ。かわいい。やばくない?


じゃなくって、どうするの??どうやって機嫌をなおしたら…


私の頭は混乱していた。

でも、結局は


「あかり、もしかして嫉妬してる?」


私は恐る恐る聞いてみた。


「うん。」


なんの恥ずかしげもなくいうあかり。

あかりは「どうすんの?機嫌とってよ」みたいな表情でこちらを向いた。


その表情も可愛すぎる。


私はたまらなくなり、あかりに抱きついた。


「あかり!ごめんね。」


「…」


「今日はあかりの行きたがってたカフェ行こ!私の奢りで!…ねっ?」


少しの沈黙が続く。あかりはしばらく抱きついている私の方を見ずにムッとしていたが…


「…うん、いいよ」


機嫌なおったぁー!!

完璧に治った訳ではないけど、なおったあああ!!


機嫌いい時のあかりは可愛すぎて世界を滅ぼす。もちろん、機嫌の悪い時も可愛いけど。

でも中途半端な今のあかりも可愛い。つまりはあかりが可愛すぎるということだ。


「なずなは私のだからね」


突然真顔で言うあかり。


「……」


かぁっと赤くなる私の頬。それをつまんであかりは言う。


「わかってる?」


「…は、はい!」


ずるいっっ!!


そうして私たちの入学式は終わった。



カフェにて…


「なずな、私これがいい!」


「おっけー!」


商品を買う時だってあかりからひとときも離れたくない。離れてしまったら誰かに取られてしまう気がするから。


とはいえ私はそんなこととてもじゃないけど言えない。

だって恥ずかしいし、あかりに引かれたらもう生きていけないから。


頼んだものが来るとあかりはいつも通り写真をせがむ。


「なずながこういうの好きじゃないってわかってるんだけど、一緒に撮りたくて…」


あああああ、可愛い。


「全然いいって。」


だって可愛いんだもん。


「それとさ、私はなずな以外に取られないからね。」


悪戯な笑顔が私に向けられる。


ば、バレてた。


「恥ずかしいいいいい…」


私はまた顔が真っ赤になるのを感じる。



そして、気づけば家に着いていた。

楽しかった1日が終わり少し寂しい。だけどまた明日もあかりに会えると思うと嬉しかった。


ああ、嫉妬するあかり可愛すぎたなあ。


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私の親友が可愛すぎる 伊崎光波 @mitsuna0939

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