私の親友が可愛すぎる
伊崎光波
第1話 私の親友が可愛すぎる
私の親友は可愛いすぎる。笑顔が可愛くて、声が可愛くて、反応が可愛くて、性格が可愛い。彼女の可愛いところをあげていったら本当にキリがない。
ちなみに、彼女の名前は依本あかり(よりもとあかり)で、私と同じで今年から高校一年生。あかりとは家が隣の幼なじみで、小さい頃からずっと一緒だった。つまり、可愛すぎるあかりを私はずっと隣で見てきたわけだ。
今日は高校の入学式だ。もちろん今日もあかりと一緒に通う。私は酷い方向音痴だが、あかりが相手だからと昨日の夜から何度もルートを確認し、学校までの道のりは完璧だ。
いつも通りチャイムを押す。すると、あかりのお母さんが出た。
「おはよう。あかりね、まだ起きてなくて。」
今日もあかりのお母さん美人だった。少し見惚れながらも私は挨拶をしあかりの部屋へ向かった。
「あかりー!朝だよ。起きてー!」
あかりを起こすのは本当は嫌いだ。こんなに気持ちよさそうに寝ているのに起こすなんて可哀想すぎる。そしてその度、私は学校を憎む。それに学校なんてなければ、ずっと可愛いあかりを独り占めできるのに…
「んんー、おはよ」
寝起きの声も可愛すぎる。
「うん。おはよう。」
「あ、なずな!・・・また寝坊しちゃった…」
テヘッと笑うあかりが可愛い。
「いいよ、全然。とりあえず着替えてご飯食べないと。」
「うん!」
明るく言う。寝癖の付いていないさらさらの髪が綺麗だ。
そのあとごはんを食べ、支度を済ませると、私たちは家を後にした。
あかりは歩くのがゆっくりだから余裕を持ってでる。でも、結局はバタバタしてしまいギリギリになってしまうのがオチだ。
電車に乗っていると、やっぱりいろんな人の視線があかりに向けられる。
その視線を憎みながら、私はあかりに話しかける。
「あかり、今回も同じクラスだといいね。」
「そうだねー。私、なずなと同じクラスがいいな。」
ニコッと笑うあかりが可愛い。
「うん!!!私もっ!!!」
すごい勢いであかりに抱きつく。
「きゃははっ!みつな面白い!」
私よりも身長が高いあかりを私はじっと見つめる。というより、自然と見入ってしまうのだ。
「あかり可愛いっ!」
本音が溢れる。
「こっちのセリフだっ」
可愛すぎる笑顔であかりは言った。
今日もあかりとイチャイチャできて嬉しい。
そんなとき、私たちは学校の最寄りの駅に着いてしまった。
もっとイチャイチャしていたかったな、と思いながら、私はあかりを連れて学校へ向かう。
学校へ着くと、もうすでにクラス分けが張り出されていた。
「私、A組だったよー、なずなは?」
「私B組… 」
まさかのまさか、あかりとクラスが離れてしまった!
「うわぁーん、あかりーー!!!クラス離れちゃっても会いにいくからねぇぇー!」
「うん。なずなもクラスの子と浮気しないでよ?」
冗談っぽく笑うあかりが可愛い。でも、あかりも寂しいのは事実のようだ。
「しないっっ!あかりだいすきー!!」
「うん、私もなずな大好きだよ。」
「……。」
なかなか好きと言ってくれないあかりが、なかなかデレてくれないあかりが「好き。」だと???
私の頭は混乱していた。
「…突然のデレ、ズルすぎる。そして可愛すぎる。」
「あはははっ」
私は照れながらもあかりに抱きついた。
クラス離れちゃったけど、これはこれでいいかも…?
そんなことを考えていたら、クラスの前まで来てしまった。
「あかり、終わったら一緒に帰ろうね。」
「当たり前じゃん、しばしのわかれだね、なずな!」
私は自分の顔が明るくなったのを感じる。
「うん!」
そう言ってクラスへ入っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます