9-7 仕事

 省吾はパチンコ玉をいくつか拾って、台に座った。


 ビンゴ! 玉は増え続け、大当たりを出した。


 やはり夢ではなかった!

 確証はなかった…スマホに履歴は残っていなかったし、時間経過を考えても現実に起きたとは考えられなかった。ただ、入浴したという感覚だけは残っていたのだ。



 次の日の競艇でも、どんな大穴にかけても負けることはなかった。


 初めは嬉々として声をあげていた省吾だったが、次第につまらなくなってきた。確実に当たるのは、もうギャンブルではなく、ただの効率の良い仕事でしかなかった。


 それでもそこまでに稼いだ金額は一億を超えていた。



 換金所へ行くと、タクシーを呼ぶことを勧められた。高額配当が出た客は、安全面を考慮して、換金所でお金を受け取ると、そのままタクシーに乗って帰るのだそうだ。


 省吾は一億八百七十二万円入った袋を抱え、タクシーに乗り込んだ。

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